小さなライバル達(スンハ) 3
「な・・・なに?どうしたの?」
夫婦になって12年も経っていても、ハニは間近でスンジョに見つめられると戸惑ってしまう。
「キスするんだよ。」
「なんで?」
「なんでって、夫婦なのに一々説明しないといけないのか?」
「怒ってる・・・・・・スンジョ君・・・・・」
「怒ってないよ。ハニとキスがしたいだけ。」
半ば強引にスンジョはハニにキスをした。
それでもお腹の大きくなったハニを労わりながら、背中に手を添えてベッドに倒れ込むようにしてキスをした。
「たまにはオレと話をしてくれてもいいだろ?最近はスンリと一緒に寝るし、スンリばかり構っている。」
ハニはスンジョの言葉にクスッと笑ったかと思うと、我慢しきれずにスンジョの胸に抱きついて息もつけないくらいに笑い出した。
「なんだよ、なにがおかしいんだよ。」
「スンジョ君・・・・フフフッ・・・・自分の子供のスンリに焼きもちを妬いているんだ・・・・・・フフフフ・・」
「誰が、自分の5歳の息子に焼きもちを妬くか!」
ハニはスンジョのふて腐れた顔を見てまた笑った。
「スンジョ君・・・じゃあ・・私のこのお腹の子の父親は誰?」
「オレに決まっているだろ。」
「この子が産まれたら、今度はこの子といる時間が増えるんだよ。」
「お前に言われなくても判ってるさ。」
「大好きなスンジョ君の子供だからスンリが可愛いし、それにスンリってスンジョ君によく似てるんだよ。頭も良いし、幼稚園でも一番早く本が読めるようになったし、制作だってお遊戯だって・・・何でも一番なんだもの。きっと女の子の格好をしていないスンジョ君はこんな風なんだろうなって思ったら可愛くて。」
オレに出来るものの殆どがハニに出来なくて・・・・そう言った事が有ったが、親としたらもしかしてスンジョよりも頭が良い親なのかもしれない。
最近は母親らしく子供の面倒も上手くできて・・・・・・・
「スンジョ君?」
「お袋もいないし、スンハはまだ学校だしスンリも昼寝をしているし・・・・オレ達は仲良くしないか?」
「えっ?恥ずかしいな・・・・・こんな昼間っから・・・・・」
「カーテンを閉めたら、ご近所にどう思われるか分かんないだろ?それに、お前の身体ならどんな風かオレの頭にインプットされているからな。」
スンジョの手がハニのブラウスのボタンを一つずつ外していくと、白い胸が見えてきた。
キスを繰り返してお互いに夢中になっていると、部屋のドアが開いた事に二人は気が付かなかった。
部屋に入って来た影が、夢中になっている二人のそばでじっと見ている事に気が付かず、スンジョがハニの胸に手で触れた時・・・・・・・・・
「アッパ、オンマのおっぱいに触ったらだめでしょ!」
その声の主の方を見ると、部屋で眠っていると思っていたスンリが目を吊り上げて睨んでいた。
「スンリ!!!いつ・・・・・」
スンリはハニをスンジョから守るように二人の間に入って来た。
「オンマのおっぱいはスンリのだからダメ!オンマのおっぱいに噛みついたでしょ!」
スンリの小さな手が触れているハニの肌に赤い痣が出来ていた。
ハニは肌蹴たブラウスを急いで整えて、スンリの頭を撫ぜた。
「スンリ、ありがとう。オンマね、アッパに苛められてたの。」
唖然とするスンジョの顔に向けて、ハニはニヤリと笑った。
高校生の時にいつもスンジョに苛められていたハニは、ここぞとばかりにしてやったり顔で今度はスンジョにアッカンベーをした。
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