小さなライバル達(スンハ) 5
グミⅡ世のスンハの言葉に、5歳のスンリは突然の宣言をした。
「ぼく、今日から一人で寝るよ。だって、沢山弟と妹がいると楽しいから。アッパとオンマ、スンリの兄妹を作ってね。」
子供達ももう眠り、スンジョは風呂から上がって二人の子供の部屋を覗いた。
スンハの部屋はグミの趣味の様な部屋で、ハニが一人でいた時のようにレースとピンクで入るのを拒みたくなるような部屋だった。
ハニの遺伝子を受け継いでいる事が判るスンハの寝相。
床の上に落とされている掛け布団を拾って掛けると、憎たらしいが可愛い口が昔のハニを思い出されるようにモゴモゴと動いた。
ハニとよく似た平たいオデコにキスをして、部屋を静かに出た。
スンリの部屋を覗けば、ハニがベッドサイドの椅子に腰かけてスンリの寝顔を見ていた。
「何だか一人で眠るって言って、部屋を覗いて寝ちゃったのを見たら、成長をしたのを喜ばないといけないけど淋しくなって・・・・・」
スンジョの遺伝子を持っているスンリは、寝相も良く寝ている時も真っ直ぐに眠る。
「こうして子供は少しずつ親から離れるんだ。この小さなオレのライバルは、強敵だな。」
二人は顔を見合わせてクスッと笑った。
「スンジョ君のこの頃はこんな風だったのかな?」
「多分・・・・女の子の格好をしていてもこんな顔して眠っていたと思うよ。」
ハニの肩を抱いて立ち上がり、二人の寝室に向かった。
久しぶりに揃ってベッドに入ると、新婚当時の様な妙な緊張感を感じる。
「ハニを好きになって、結婚して本当に良かったよ。お前によく似た顔の娘と、オレの顔とよく似た息子が産まれて、そしてまた産まれて来る子共がいて・・・・・・・家庭を築き、人を愛して守って、賑やかだけどそれがこんなに幸せだと思うと、お袋には逆らえない。」
「スンジョ君、愛してるよ。」
ハニがスンジョの口にキスをチュッとすると、続けてスンジョも返した。
「オレもハニを愛してるよ。」
ハニの首から腕を入れてスンジョは自分の方に引き寄せた。
「こうしてハニを身近に感じると、仕事で疲れた時には本当に薬になるんだ。ずっと一緒にいるんだぞ、離さないからな。」
「当たり前じゃない。私はスンジョ君しか愛せないし、いるべき場所はスンジョ君の所だもの。」
久しぶりに同じベッドで話したような気がする。
人並みには出来ない事が沢山あるハニだが、スンジョだけでなく家族にも沢山の愛情を注げるハニがこの世で一番綺麗で輝いているとスンジョは思う。
久しぶりに熱いキスを繰り返していると、ハニのお腹がグゥッと動いた。
「今度産まれて来る子も、焼きもちを妬いているぞ。」
「ふふ・・・・・どっちに似たのかな?スンジョ君かな?」
「どうしてだ?」
「だって、スンジョ君ったら凄く焼きもち妬きなんだもの。」
「お前だって言えないだろう。直ぐに誤解をして勝手に落ち込んで。」
顔を見合わせて笑ってまたキスをする。
そんな事をするたびに、お腹の子供がハニを蹴る。
「もう大人しく寝るか・・・・・この子が産まれたら、ハニを沢山******からな。」
耳元で囁かれてハニは、身体をよじった。
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