小さなライバル達(スンハ) 7
モニターに映し出されているモゾモゾと動いている物体を、スンハとスンリは目を凝らして見ていた。
好奇心旺盛なスンリは、目を輝かせながらパク医師に聞いた。
「これなぁに?」
「赤ちゃんですよ。かわいいでしょ?」
スンリは、生意気にもため息を吐いて首を横に振った。
「かわいくない・・・・宇宙人みたい・・・アッパは、かっこいいしオンマは綺麗なのに・・・・」
小さな弟の頭を、スンハはコツンとした。
「あんただって、こんなんだったんだよ。」
姉の冷たい言い方に、自分もあんな宇宙人みたいな物体だったのだと知った事がショックだったのだろう。
今にも泣きそうなスンリを、ハニは抱き寄せた。
「お腹にいる時はみんなこんな風でも、産まれたら沢山の人から可愛がられて可愛くなるんだよ。人がどう言ってもオンマもアッパも自分達の子供が一番可愛い天使なのよ。」
パク先生が何かに気がついたようだ。
「ぺク先生、ちょっと・・・」
ハニはパク先生の言葉に、不安になった。
「どうかしたの?スンジョ君・・・」
スンジョは、ニヤリと笑った。
「女の子だ。」
スンジョが女の子だと言ったのを聞いて、スンハとスンリはさらにモニターに近づいて胎児を見ていた。
「ほら・・・ここに付いてないだろ?スンリと同じ物が・・・・・」
「ホントだ・・・・・付いていない・・・・・・」
スンハには判ったがスンリにはよく判らなくて、一生懸命にモニター画面に胎児が動くとその動きに合わせて見ていた。
「スンハは、妹と弟どっちがいいの?」
「そりゃあ・・・女の子・・・・おソロの服を着て、一緒に歩いたりスイーツを食べたりしたいの。オンマとアッパはどっちがいいの?」
「どっちでもいいの。元気で無事に産まれて来れば。スンハもお母さんになればきっと判るわ。ねぇ・・・スンハアッパ。」
「ああ・・・アッパはオンマが産んでくれる全ての子供が元気なら、男の子でも女の子でもどちらでもいいんだ。」
ハニが洋服をきちんと整えて起き上がると、モニターで写した画像をプリントしてもらった写真をスンリは見ていた。
「ぼく・・・お兄ちゃんになれるかな、なった琴がないから・・・・・心配だよ。」
「大丈夫、人間は一つずつ覚えて成長していくものなの、オンマだって一つずつ覚えて大人になったのだから。」
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