小さなライバル達(スンハ) 11

痛い・・・・

・・・・様な気がする。

気の所為だ、スンジョ君がさっき聞いたから痛いような気がして来たんだ。

大丈夫!予定日までまだ何日もあるんだから。

ハニは自分に言い聞かせるように、張ってくるお腹に少し不安な自分に何度も言った。

早く風呂から出て来いと言ったスンジョは、バスルームからの音が聞こえてこない事が気になって様子を見に行こうとした。

「お待たせ~」

お風呂に入ってほんのりと頬を染めたハニを見て、スンジョはホッとした。

大丈夫か・・・・

鼻歌を歌って、ドレッサーで髪をとかして化粧水を付けているハニの後姿を見て声を掛けた。

「早くこっちに来いよ、電気を消すぞ。」

「待ってよ!」

掛け布団を上げて待っているスンジョの横に、ハニはドッコイショと言って入った。

いつものようにお休みのキスをして、スンジョの腕枕で目を閉じると寝相の悪いハニがベッドから落ちないように、結婚してからずっとスンジョが続けている事をした。

【ハニを自分の胸に抱きしめて眠る】

スンリにハニを捕られていた時は、ハニや家族には言えないが、ハニの枕を代わりに、こっそりと抱いていた事もあった。

眠りについてからどれくらい経ったのか、いつもは朝まで起きないハニがスンジョの腕からそっと抜けるようにベッドを出た。

スンジョを起こさないようにと静かに静かに出た。

「どこに行くんだ?」

「トイレ・・・・・・・」

枕元のリモコンで天井灯を点けると、ハニは腰を擦りながら歩いていた。

「大丈夫か?」

「うん・・・・ごめんね・・・起こしちゃって。」

眠れなかったのかハニは腫れた目をして、それでも一生懸命に笑顔を作っていた。

パタンとドアを閉めてハニはお腹を支えて深呼吸をした。

痛い・・・痛い・・・やだ・・・なんだか陣痛みたい。

その後もハニはトイレに何度も起きた。

「ハニ・・・・・お前・・・・もしかして陣痛が始まってるんじゃないか?」

顔をしかめながらも、スンジョに笑いかけるハニ。

「大丈夫・・・・・直ぐには・・・クッ・・・・・・・~~~」

「なんで言わないんだ・・・・経産婦は陣痛が始まってから、早いって事くらい看護師なら解るだろう!今何分間隔だ?」

「10分・・・・ぅ・・・」

「お袋を起こして来るから・・・・直ぐに戻るから・・・頑張れよ。病院まで間に合わない・・・・・・」

スンジョは机の横に置いてあるカバンの中から、緊急用の器具セットを持って部屋を飛び出した。

ドンドン・・・

「お袋!起きてくれ!!お袋!」

スンジョの声にグミとスチャンは目を覚ました。

「どうしたのかしら・・・・・・」

「ハニちゃんに何かあったのかもしれん・・・早く開けてあげなさい。」

グミはカーディガンを羽織って部屋のドアを開けた。

「どうしたの?」

「ハニの陣痛が始まって・・・・・病院まで間に合わない・・・これを・・・熱湯消毒して、沢山の湯と綺麗なタオルをありったけ用意してくれ。」

グミは急いでキッチンに向かった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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