小さなライバル達(スンハ) 18
スンミは家に到着するまで、一度も起きる事がなくスヤスヤと眠っていた。
ハニがスンミを抱いて玄関のドアを開けると、スンハとスンリが目を輝かせて妹の到着を待っていた。
「ただいま。」
「オンマ、スンミを見せて!」
ハニはスンミを連れて、リビングに用意されているベビーベッドにそっと降ろした。
スンミのベビーベッドの周りをスチャン・ギドン・ウンジョにミアが囲んで静かに眺めていた。
「オンマ!スンミを抱っこしたい!」
スンリはお兄ちゃんになった事が嬉しいのか、ワクワクした表情で目を輝かせていた。
「まだ、スンリには抱っこは難しいから、柵を下げてあげるね。」
スンリ側の柵を下げて、スンミの顔をよく見えるようにすると、妹の柔らかな頬をソッと指で触れた。
「オンマ!柔らかいよ!」
スンリは初めて見る新しい家族の一つ一つに大袈裟なくらいに完成を挙げていた。
そんなスンリをスンハが冷めた目を向けていた。
「一々大袈裟すぎなの!スンリは。本当に、一々言わなくてもいいんだから!ったくハタ迷惑な!」
その言い方があまりにもハニと出逢った頃のスンジョに似ていてハニはクスッと笑った。
「スンジョ君にそっくり・・・・クスクス・・・・」
「スンリのあの大袈裟なところは、ハニと一緒だ。」
スンジョとハニがコソコソと話しているのを見てグミも嬉しそうに笑った。
「アッパ!アッパに返すよ。」
スンリが何か思い出したようにスンジョに話しかけた。
「何を返してくれるんだ?」
「オンマのおっぱい!」
大人たちは一瞬、何の事なのか分からず、不思議そうにスンリを見た。
「スンリ、どうしてアッパにオンマのおっぱいを返すんだ?」
「ウンジョ・・・お前、余計な事をスンリに聞くなよ。」
ウンジョもグミもスンリが言おうとしている事が判ったのか、吹き出しそうになるのを必死に堪えていた。
ハニはスンリを抑え込みながら必死に言わせないようにしていたが、素早く逃げるスンリを抑える事は出来なかった。
「あのね。前にね、アッパがオンマのおっぱいをかじったから赤くなってたの。」
スンジョもスンリを抑え込もうとしても、逃げるスンリの身の軽さにどうにもならない。
「もう僕、お兄ちゃんになったからオンマのおっぱいいらないもん・・・・・今日からスンミは僕がお世話してあげるね。」
スンリのとんでもない発言に対して、スンジョとハニはお互い顔を赤くして叱れない子供を恨めしく思っていた。
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