小さなライバル達(スンハ) 21
ウンジョとミアの二人に可愛い男の子が誕生した。
グミは予想とは違っていたが、孫を嫁達と育てる事を楽しんでいた。
ウンジョ達の初めての子供が産まれてから、数週間後にウンジョは入隊した。
ミアは健気に取り乱さないで、笑顔で夫を見送った。
グミとハニは、一年9ヶ月一人で子育てをする事になった若い新米母親を、励ましながら毎日を明るく過ごしていた。
「ただいま。」
「おかえりなさい、スンジョ君。」
やけに静かな我が家に、スンジョは辺りを見回した。
「誰も、いないのか?」
いつものこの時間は、ハニとミアは授乳中。
手持無沙汰のハニは、スンミが寝ている間に片付けようと洗濯物を畳んでいた。
「お母さんが、ミアと一緒に、スンハのバレエ教室に行ったの。」
スンジョは上着とカバンを一人掛けのソファーに置き、肩の凝りを解すように腕を動かしながらハニの横に座った。
器用に洗濯物を畳んでいるハニを見ていると、人より覚える事には時間が掛かるハニは、いつも雑に仕事をしているだけではない事を知った。
鼻歌を歌いながら何をするのも楽しそうなハニを見ているだけで、こちらも自然と優しい気分になって来る。
スンジョは玄関の方をチラリと見て、サッとハニにキスをした。
「ビックリした!スンジョ君、どうしたの?」
ハニにキスをした後も、玄関の方を伺っているスンジョをハニは不思議そうに見た。
「スンリが行き成り入って来ないか、見ただけだ。」
スンミが産まれてからも、オンマとスンミを守ると言っては、ハニにキスをしていると後ろから羽交い締めをしてくる。
「大丈夫よ。スンリの羽交い締めは、彼なりの愛情表現だから。」
そう言うと、今度はハニからスンジョにキスをした。
「私ね、本当はスンジョ君と沢山キスをしたいんだよ。夜は最近スンミも一人にしても泣かなくなったし、スンリも幼稚園で疲れるのか、早く寝ちゃうんだよね。夜、スンジョ君とユックリ出来るのは、今週は今日だけ。」
甘える様に擦り寄って来た。
擦り寄って来たハニの耳元でスンジョは、
「上にいかないか?」
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