小さなライバル達(スンハ) 24
「ハニの旦那には、子供に言えない黒い過去があるじゃない。」
ジュリの言葉に、ハニの不安な思いはさらに大きくなった。
「何よ、黒い過去って。スンジョ君には黒い過去なん・・・・もしかして・・・・」
ハニはふと一つの事に気が付いた。
スンジョだけではなく、ハニにとっても黒い過去。
忘れたくても忘れられない黒い過去。
「ヘラの事?ヘラとの事なら・・・・・・・もう大丈夫・・・だけど・・・・」
___バシッ!
ジュリがハニの背中を思いっきり叩いた。
「違う違う、ヘラじゃなくて・・・・・・・・ペク・スンジョが昔女の子の格好をしていた黒い過去。」
「あれはスンジョ君が自分からしていたのじゃなくてぇ・・・・・・おかあさんが女の子を欲しくて・・・」
「そうじゃなくてぇ・・・・スンハの時は、初孫でおばさんも離さなくて、おじさんたちも離したがらないし自由に抱く事も出来なかったじゃない。だけど三人目になると可愛いけど、みんなそんなに、珍しくもなくなったから・・・・自分の黒い過去を思い出して・・・・」
意味の読み込めないハニは、ジュリの言葉にただポカンとしていた。
ジュリが言っていたよね。
鍵の掛った引き出しとか、何か大切そうにしている物とか・・・・・
変な趣味の雑誌とかないかって。
スンジョ君は、雑誌類は買わないから・・・・
ハニはスンジョがスンミと散歩に行くからと出掛けた隙に、スンジョの持ち物チェックをし始めた。
だけどどこを探しても、特に気になる物も出てこないし、一緒に住み始めてから何度も結婚する前に部屋には入っていたけど、あるのは難しい専門書のみだけだった。
でも、ただひとつ気になることがある。
机の一番下にある大きい引き出しの中だ。
そこの引き出しの中だけは、開けた所を見た事がなかった。
「確か・・・・・・この引き出しの鍵は・・・・・・・」
スンジョの上着のポケットの中に、机の鍵を入れているのを見た事があった。
その上着は仕事に行く時に着て行くから、今は家にある。
クローゼットの中に掛けてある、何枚かの上着を探った。
「あった!」
思わず声を出した時に、スンジョが部屋のドアを開けた。
「何があったんだ?オレがスンミと散歩に出掛けている間に人の服の中を探って何をしているんだ?」
部屋の入り口には、散歩に出かけて機嫌のいい顔をしたスンミを抱いたスンジョが立っていた。
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