小さなライバル達(スンハ) 25
「何をしているんだ?」
「あっ!・・・・これは・・・えっと・・・・・そうそうジャケットをクリーニングに出そうと思って、ポケットの中を確認したら・・・その・・・鍵が入っていたから。」
無邪気に笑うスンミの顔の横に並ぶ、スンジョの怒った顔が異様に怖くてハニは足がすくんでしまった。
差し出されたスンジョの掌に、持っていた鍵をポトンと置いた。
「クリーニングに出してからまだ一度も来ていない・・・というか、今朝届いたジャケットだぞ。人の鍵の掛った引き出しを探るなんて・・・・最低だぞ。」
「ごめんなさい・・・・・・・」
スンジョはその鍵で机の引き出しの鍵穴に差し込んだ。
「スンミがまだ何も解らないからいいようなものの・・・・・・・・何を探していたのか言ってもらおうか?」
スンミをスンジョから受け取り、スンジョはハニの上から見下ろすようにして、椅子に腰掛けた。
「あの・・・・・・・スンジョ君はスンミばかりを構っていて、他の子供たちもそうだと思うけど、スンジョ君スンミばかり可愛がって・・・・だから今日ミナとジュリに相談したの・・・・・・」
「それで?人の机を探れって?」
「うん・・・その・・・・・小さい頃に女の子の格好をしていたから・・・・・女装癖があるかもって・・・それか・・・・・ロリコンでスンミを・・・・・・」
コツンと拳骨でハニの頭を叩いた。
「何が女装癖だ。あの過去をまた思い出させるのか?消せるもなら消し去りたいのに。」
「スンジョ君、ごめんなさい・・・・」
「ガッカリだな。オレをそんな風に思っていた事に・・・」
怒りが伝わるほど怒っているスンジョは、ハニが抱いていたスンミを取り上げた。
急にハニから離されてビックリしたスンミは、今にも泣きそうに目にプックリと涙を滲ませた。
「アッ!スンジョ君、スンミを返して!」
「ダメだね、夫を疑って忘れ去りたい過去を持ち出す母親に、大切な娘を渡したくないね。」
「違うの・・・・胸が張って痛くて・・・・スンミに飲ませたいの。」
いくら天才スンジョでも、ハニに勝てない物の一つに、娘への授乳。
ハニはスンジョの怒ったような視線の中で、可愛いスンミのお腹を満たした。
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