小さなライバル達(スンハ) 26
「ねぇねぇハニちゃん、お兄ちゃんと喧嘩でもしたの?」
夕食の準備をグミとしながら、ハニはチラリとリビングで新聞を読んでいるスンジョを見た。
「喧嘩というか・・・・・別に、していないです・・・・けど・・・・・・・」
スンジョから、不機嫌と判るオーラがはっきりと出ていた。
ハニもグミに言えばきっとハニに運が無かった・・・・と言うだろうと思っていた。
「お兄ちゃ~ん、スンジョ~、スンハアッパァ~。」
面倒臭そうにスンジョは新聞を置いて、ハニの方をチラリとも見ないでグミを睨みつけた。
「なんだよ、そんなに色んな呼び方をしないで統一しろよ。」
スンジョの膝の上にはスンミがちょこんと座り、足元にはスンハとスンリが本を広げて読んでいた。
家にいる時は片時もスンミを放そうとしないスンジョ。
ハニは心の中で、スンミにちょっと嫉妬をしている自分に気が付いた。
「そう?それなら、ハニちゃんにメロメロなスンジョ!」
その言葉に早くに反応したのはスンジョよりも、足元でスンリと本を読んでいたスンハ。
「そう言えば、アッパとオンマ今日はキスしないの?」
「そうだな・・・・・しないみたいだな。」
まるで他人事のように言うスンジョに、ハニはどうしたら許してもらえるのか考え込んでしまった。
食事の時間もスンジョの不機嫌は治らず、スンハとスンリの二人以外の子供たちとグミの声以外、誰も話しをしなかった。
休暇で帰っていたウンジョも、スンジョの不機嫌な様子にサッサと食事をして、ミアと部屋に引き上げて行った。
「ハニちゃん・・?どうしたの?顔色が悪くて・・・・・食事も食べていないし。」
「ええ・・・・・・・・」
何だろ?夕食の準備をしている時からムカムカして・・・・・気持ち悪い・・・・・
「ごめんなさい・・・・・・・」
ハニは立ち上がり、シンクまで走って行った。
本当はトイレに行くべきだが、トイレまでは間に合わない。
シンクに食べた物を吐いていると、スンジョが背中を擦ってくれた。
「大丈夫か?」
「大丈夫・・・・・・・・ミナたちとケーキバイキング食べ過ぎたかな?」
スンジョはハニの頬をそっと両手で挟んで、自分の方に向けた。
「お前・・・・微熱がある・・・・・・・」
スンジョに言われハニは手をオデコに当てて暫く考えていた。
「いつもの風邪薬を飲むから今日は早目に眠るね。」
「ダメだ・・・・・お前、何人の子供を産んだ?」
キョトンとスンジョの顔を見るが、ハニはスンジョが何を言いたいのか判らなかった。
「三人だよ?」
「妊娠しているのは気が付いていないのか?最後の生理はいつだったんだ?」
ハニの妊娠という言葉に、ダイニングにいたグミのアンテナが動いた。
「ハニちゃん、赤ちゃんが出来たの?お兄ちゃん頑張ったわね、四人目!!」
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