小さなライバル達(スンハ) 39
ハニは鏡越しにベッドに入って本を読んでいるスンジョを見ては、何度もクスッと笑っていた。
「いつまで笑っているんだ。いい加減に寝るぞ。」
「は~い、スンジョちゃん!」
そう言うや否や、ハニは飛び込むようにして入って来た。
「おい、気を付けろよ、一人の身体じゃないんだからな。」
モソモソと布団の中に入って行くハニを、不審な顔でスンジョは眺めていた。
「何をやっているんだよ・・・・おい!」
スンジョが布団を上げて潜って行ったハニを見ると、ハニはスンジョのパジャマのズボンを勢いよく降ろした。
「お・・・お前は・・・・・妊娠したら変態になったのか?」
「だって・・・・・kkkkkk・・・ククッ・・・・・・・」
必死で笑いを堪えようとするが、我慢しきれなく顔が赤くなっていた。
「ねぇねぇねぇスンジョ君、この下着の意味を知っているの?」
スンハと約束して穿く事になった下着に指を指して笑ってスンジョの顔を見ているハニは、いつも言い負かされていた自分が有利に立っているような顔で見上げていた。
「そんな所に顔を近づけているなよ。ほら、サッサとこっちに来て・・・・電気を消して寝るぞ。」
ハニはスンジョの横に並ぶようにして寝転ぶと、スンジョの胸で眠っているスンリが寝返りを打った。
「お前が静かにしないとスンリが起きるだろう。」
暫くスンリの寝顔を見ていても、起きる様子はなかった。
「大丈夫みたいよ。」
ハニが確認をするとスンジョはスンリを抱き上げて、スンリの部屋まで運んで行った。
直ぐに部屋に戻って来ると、ハニはスンジョの引き出しからいつも穿いている下着を持って来ていた。
「スンジョ君、それを穿いていたら、明日病院で着替える時に皆にからかわれるでしょ?着替えたら?」
「ああ・・・そうするよ。」
コッソリと部屋の隅で着替えているスンジョの後姿は、堂々としたあの天才ペク・スンジョの面影が影を潜めていた。
「ほら、寝るぞ。」
「きゃぁ・・・・」
勢いよく入って来たスンジョは、ベッドに横になると同時にハニに腕枕をして抱き寄せた。
「ったくスンハは誰に似たのか・・・・浮気防止にあんな派手な物を穿かせるなんて。」
「女の子ってあんなものよ。」
「お前もやったのか?」
キラキラとした瞳でハニに見られると、結婚してもう10年以上たつのに、ハニに欲情してしまいそうになる。
「やったよ。でもうちはママがもういなかったから浮気防止の下着は穿かせなかったけど、ミナとジュリと一緒に買いに行ったよ。でも・・・・スンハは小学生なのに一人で行ったんでしょ?すごいね。」
いったいいつになったらスンジョの毎日は平穏ではいられる日が来るのだろう・・・・・・
一~つ。二~つ。三つ。
心配しないでねオンマ。
スンハは何かを、ノートに書いていた。
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