小さなライバル達(スンハ) 43

「ハニ、コーヒー。」

遅い朝食をハニと向かい合って食べているが、スンジョが起きて来た時からずっとボゥッとしているハニの顔の前で、手をチラチラとさせてみた。

「ん?トーストをもう一枚?」

「違う・・・・お前、どうかしたのか?」

「何も・・・・・・・何かいるんだよね。」

「食べ終わったから、コーヒーを淹れてくれないか?」

立ち上がって直ぐにキッチンまで行き、淹れたてのコーヒーをマグカップに入れて戻って来た。

「スンジョ君・・・あの・・・背の高い女の人と、普通の背の女の人・・・・・」

「背の高い人と?またお前は何か勘違いをして思い込んでいるのか?」

まるで今朝のスンリとの話を聞いていたかのスンジョの言葉。

「朝・・・ううん・・・・いいの・・・・・」

まだコイツは治らないんだな。

聞きたい事も聞けないで、一人で勝手に落ち込んで。

「背の高い女の人・・・・ミンジュだ。」

「ミンジュ?」

勝手に思い込んで落ち込んだのが図星だった事に、スンジョは呆れたように大きくため息を吐いて新聞をテーブルの上に置いた。

「スンハが何か言ったのか?」

「スンハは何も・・・・・」

「この間、病院近くの本屋でミンジュと歩いている時にスンハに会ったんだ。ミンジュとは昔から知っているからスンハとミンジュは普通に挨拶をしただけだぞ。ハニは10歳の自分の子供にもからかわれているのが判らないのか?」

我が子にもからかわれやすい性格と知ると何だか自分が情けなく感じていた。

「そんな事より、スンハとスンリの様子が最近変だと思わないか?」

「ぅん・・・さすがの私でも、何だか様子が変だとは思っていたけど。二人の仲が良さ過ぎるのよ。」

「スンハの机に、鍵の付いた引き出しがあっただろう?あの引き出しの鍵は誰が持っているんだ?」

「スンハと私・・・・・・でもダメだよ。女の子には色々と秘密があるんだから。」

「一度、スンハと話がした方がいいんじゃないかな。10歳前後の子供が、親に言えない秘密があるのはいい事ではないから。」

ハニはスンジョに、今日学校からスンハが帰って来たら、何を二人でやっているのかを聞いてそれを伝える事にした。

「ただいまぁ~。」

10歳の娘の声に、ハニは手に持っていたランドリーバスケットを落とした。

ハニは我が子とたった二人で話すことは初めてだし、スンジョの遺伝子を受け継いだスンハと話すと思うと妙に緊張して来た。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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