小さなライバル達(スンハ) 48
スンリはオンマとアッパの後を黙って着いて来た。
「もう!本当に大丈夫だって!」
「左足を挫いていないか?」
リビングのソファーに下ろされたハニは、そっと左足に力を入れてみた。
「痛っ!」
「昔、テニス部の合宿で挫いたのを覚えてるだろ?」
テニス部の合宿・・・・
まだ大学一年の時に、テニス部の夏の合宿に参加した時、ギョンス先輩・ヘラとスンジョとハニでミックスダブルスの試合をしようとした事があった。
ハニ以外は、全国大会に出るレベルだが、ハニはテニスラケットを握った事すらない初心者。
短期間で力が付くわけがない。
だけど一度貼り付いたら離れないガムのようなオ・ハニは、スンジョの厳しい練習に疲れが出たのか、サーブの練習でボールを踏んで転んでしまった。
その時の捻挫をシッカリ治していなかったからなのか、一寸した事で時々挫く事があった。
母の足を素早くテーピングしている父の様子を、スンリは近くに座り込みながら、尊敬の眼差しで見ていた。
そんなスンリにハニは気がついた。
「どうしたの?」
「何でもない!!」
パタパタとスンリは自分の部屋に駆け込んだ。
アッパ・・・・
かっこいいな・・・・
手際よく足を怪我したオンマを抱き上げた時の素早さが、甘えん坊で泣き虫の幼いスンリのなにかが変わった。
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