小さなライバル達(スンハ) 60
「まぁ・・・・そんな事があったの・・・・見たかったわ・・ね?ミア?」
「お母さん、スンジョ君に聞かれたら怒られます。」
いつも大人しいミアもハニから話を聞いて、冷静でいつも堂々としている義兄が5歳の我が子に手を焼いたと聞いて可笑しくて笑いが止まらなかった。
スンジョが緊急に病院から呼び出され、スンハとスンリがスンミをベビーカーに乗せて近くの公園まで出かけている間、女性三人はお菓子を食べながら話していた。
ミアの腕にはウンジョとの子供ウジョンが、外出をして疲れたのかスヤスヤと眠っている。
「スンリも一生懸命にスンミにおやつを食べさせてそれをスンジョに注意されて、ハニちゃんを呼んでも来ないから、家にいない事を知ったのね。」
「そうなんです、幼稚園のお出迎えにスンミを連れてスンジョ君が来た時に可笑しいとも思わず、幼稚園のお友達に自慢したんですって。うちのアッパは世界一のお医者様だって。」
「ハニちゃんと似ているわね。スンジョは何でも一番だっていう考えは。」
大人しいミアは喋らなくても、グミとハニの話をだまって聞く事が大好きだった。
「ミア、ウンジョ君にはいつ面会に行くの?」
「来週、私の両親のいる所に行く時にお義母さんと立ち寄る予定です。」
「そうなの、だからハニちゃんごめんなさいね、スンミのお世話が出来なくて。」
身体の弱いスンミを保育園に入れるために、少しずつ外の風に当てるためにグミは近くの公園によく連れて行っていた。
今日は、スンハがスンリと一緒に公園に散歩させると言って連れて行っている。
「結局、私はいつまでもスンジョ君に迷惑をかけているんですよね。陣痛が来ているのを我慢していたばっかりに家でスンミを産んでしまったし・・・・・・でも、今度はこの子はどうしても元気な子供にしないと、折角スンジョ君と一緒に仕事をしようと看護師になったのに、スンミの心配をしないといけなくて・・・・」
「そんな事気にしなくてもいいのよ。家族が助け合うのは当然の事なのだから。」
「そうですよ、お姉さん。ウジョンとスンミは双子みたいなものだし、私も協力しますから。」
外の階段を上がって来るスンハ達の笑い声が聞こえて来た。
スンハがスンミを抱いて、スンリがベビーカーを引いて帰って来た。
「ただいまぁ~」
三人の子供をハニは玄関まで小走りで出迎えた。
「お帰り。」
上機嫌な様子のスンミをスンハから受け取ると、スンハがハニに抱きついた。
「オンマ!だ~い好き。だからスンハのほっぺにチュッとして。」
何か良い事があったのか、スンハがハニにホッペにキスをしてほしいとおねだりすると、スンリは負けじと言い出した。
「オンマ!僕、沢山ベビーカーを押したから、ご褒美にチュッとして!」
押し退けるようにスンハとハニの間に割入って来たスンリは、してやったりという顔をすると、スンハは今にも怒り出しそうな顔をした。
「ハイハイ、喧嘩しないのよ。小さなライバルさん達。」
そう言って,二人の頬に交互にキスをした。
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