小さなライバル達(スンハ) 64
身体の弱いスンミも、成長と共に体力も付いて来た。
日々成長する子供を見ながら、ハニは幸せな気分になっていた。
ハニの笑っている顔を見ていると、なんだか淋しい気がして来た。
「ハニ、こっちに来いよ。」
スンジョに呼ばれて一瞬ビックリするが、さっきまで子供たちに向けていた笑顔よりも明るい笑顔をスンジョに向けた。
「よいしょ・・・・・フゥー」
もう数日後に誕生する4番目の二人の子供がお腹にいる影響で、最近のハニは動きづらそうにしている。
「しんどいか?」
「大丈夫・・・あっ!でもスンミの時みたいに我慢はしないからね。」
「当たり前だ。専門外だからな、産科は。」
産休に入ってからは、いつ入院してもいいように、子供たちの着替えや必要な物を準備して1日を過ごしていた。
「ハニ・・・・・オレの事好きか?」
「な・・・何を今更聞いているの?私はスンジョ君以外の人は好きになれないんだから。変なの、まるで焼きもちを妬いている高校生みたい。」
「焼きもちを妬いてる・・・・」
「へっ?」
あまりにもビックリするようなスンジョの言葉に、ハニの声は裏返ってそれが思ったよりも大きかったから、ウッドテラスで遊んでいるスンハ・スンリ・スンミにウジョンとその子供たちを見守っていたグミとミアが驚いて二人の方を見た。
「どうしたの、オンマ?」
「何でもないわ、アッパと話をしているだけ。」
ハニの大きくなったお腹を触りながら、スンジョはハニの耳元で囁いた。
「子供たちに随分と優しい顔で見ているからさ、最近はオレの事どうでもよくなったのかと思ったんだ。」
スンジョの息が耳にくすぐったかったのか、ハニは身体をよじって少し離れた。
「もう・・・耳元苦手なんだから・・・・・スンジョ君の事が嫌いになんてなるわけないのに・・・・」
「そうかな?最近オレは結構暇なんだけど・・・・・・・いつの間にかオレの手伝いが無くても何でもできるようになるし、子供の世話はオレよりも上手いし・・・・・・オレはハニの何なのかなって思うよ。」
「スンジョ君は私の永遠の王子様で森の妖精よ。」
「本当にそうか?」
「もう・・・・・今日のスンジョ君いつもと違って・・変・・・・・」
「変かもな・・・・・今度はどっちが産まれるのか・・・・・男の子だったらスンリの時と同じで焼きもちはMAXになるから女の子がいいな。」
「女の子なら、私が焼きもちを妬くよ。」
スンジョが部屋に行こうかと誘って、二人はウッドテラスにいる子供たちをグミとミアに任せて階段を上がって行った。
「どうかしたの?」
机の引き出しから、何かゴソゴソと探して1通の封筒をハニに手渡した。
「お守りだ。」
「お守り?」
「出来る限り今回も立ち会うが、仕事柄保証は出来ない事は判るよな?お前の大事な子供たちの写真をお守りにして持って行ってくれ。」
スンジョから貰った封筒の中から写真を出すと、先週の日曜日に写した子供たちとスンジョとハニの家族写真が入っていた。
「それと、これも今言っておくから・・・・・元気な息子を産んでくれてありがとう。」
「えっ?知っていたの?」
「知っていた。今回は性別が判る頃、お袋やお義父さんに聞かれたお前が、教えてもらっていないと言ってたし、オレが検診に付いて行くって言うと嫌がったから、男の子だと思ったんだ。」
「スンジョ君って・・・・私の事みんな知ってるんだ。」
「当たり前だ、お前の全てはオレの手の中に有るのと同じだからな。」
プゥッと膨れたハニの唇にキスをして、スンジョは部屋を出て行った。
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