小さなライバル達(スンハ) 71
小さい弟も、オンマの仕事の関係で2歳になった時に3歳になった妹のスンミと一緒に保育園に通い始め、おばあちゃんはウジョンと家で遊ぶ毎日を送っていた。
私は、ウンジョおじさんとミアおばさんに早くウジョンの弟か妹が出来ればいいのにと、私は自分の弟と妹を見て思っていた。
「オンマ・・・最近、中年太り?」
「やだ、何を言うのよスンハは・・・・」
「太るとアッパが浮気をするかもよ。世の中にはオンマよりも素敵な人は沢山いるんだからね。」
アッパに沢山愛されている事は、娘の私でも判っているのに、オンマ本人は気が付いていない。
鈍感と言うか・・・何と言っていいのか・・・・・
アッパに嫌われるとか、浮気をされるとか聞くだけで落ち込んでいるオンマを見ているのは結構・・・・面白い。
「そうね・・・中年太りしないように考えて生活をするわね。」
アッパは浮気なんかするはずもない事は充分と判っている。
おじいちゃんが亡くなって暫く経ったあの夜の事は、2年経っても忘れられなかった。
あの夜のアッパとオンマを見た人なら誰でも、こんなにお似合いの二人はいないと思うはず。
でも、オンマはそんな冗談で言った一言でも、本当にアッパが浮気をしてしまうと思い込んで、一人で落ち込んで元気が無くなる。
今も・・・・落ち込んで顔を青くしている。
オンマの行動を眺めていると、日ごろの勉強のストレスも取れるような気がする。
とても38歳になったようには見えないし、実年齢より若く見える所為か、私と姉妹に間違われる時がある。
身長もあと少しで私がオンマを抜いてしまいそう。
アッパはオンマと同じ歳だけど、さらに素敵になり・・・顔は勿論だけど来年には教授になれそうとかで、忙しくて家には殆ど帰る事が出来ないみたいで、オンマに元気という文字が消えかかっている。
先月は、3日間の休暇も書斎に籠って出て来ないし、いつ眠っているのかも分からない・・・・けど、朝起きるとスッキリとした青空のような笑顔でオンマと話をしている。
私は・・・・・アッパ程ではないけど、素敵な彼氏が出来て毎日が楽しい高校生活を送っていた。
毎日が平和で何も起こらない日が続いていた時に、それが変わってしまった。
最初はアッパが忙し過ぎて家に帰って来ないからだと思っていたけど違っていた。
あんなアッパとオンマ私は初めて見た。
あれは私がテスト週間最終日前日に、休憩がてらダイニングにジュースを飲みに行った時に、オンマがアッパにコーヒーを淹れている時だった。
「アッパはオンマのコーヒーが好きなんだよね。」
「フフ・・・・これだけは誰にも譲れないから・・・スンリはアッパに許可を得ていた時期もあったけどね。スンハ、お母さん、スンジョ君にコーヒーを持って行きますね。」
いつまで経ってもスンジョ君と言うオンマは、すごく可愛くてキラキラと輝いていた。
「スンジョ君・・・・あの・・・ちょっと・・話を聞いて欲しいんだけど。」
「悪い、今日はハニと話をしている余裕がないんだ。」
「ほんの少しだけ・・・・・。」
そうハニが言っても、ハニの方を見る事もしないでパソコンの画面を見ながらキーを叩いていた。
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