小さなライバル達(スンハ) 77

スンジョは部屋に入るとスンミをソファーに座らせた。

四人の子供の中で一番ハニに似ているが、ちょこまかしないで大人しく長時間でも座っている事の出来る子供だ。

座ってニコニコと笑っている姿を見ると、父スチャンと似ているように見える時もある。

ドン!!

勢いよくドアが開くと、スンリが大量の紙パンツの袋を運んで来た。

「アッパごめんよ・・・・・っと。」

「何をするんだ?そんなに大量の紙パンツを・・・・・・」

スンリは運び込んだ紙パンツを袋から出して広げ始めた。

「これ?こっちのMサイズはスンスクで・・・こっちのМサイズはスンミので・・・・・・お尻の所に名前を書いて保育園に持って行くんだ。」

スンリはスンスクようとスンミ用を確認しながら二人の名前を書き始めた。

「スンリがいつもやっているのか?名前書きを・・・・」

「違うよ・・・オンマがひと月に一度こうやってここで書いて、保育園に運んでいるんだ。オンマは車が運転できないから、書いたらキャリーバックに押し込めてスンミ達を迎えに行く時に持って行くんだ。」

スンジョはそんな事をハニがしているとは知らなかった。

よく、今日は保育園に沢山持って行く物の準備をしたから肩が凝ったと言っていた事を思い出した。

「マジックが・・・・・掠れて来た・・・・・・アッパ、オンマのドレッサーの真ん中の引き出しに予備のマジックがあるんだ。出して・・・・」

スンリに言われて引き出しを開けて予備にしているマジックを取り出し、スンリに渡した。

綺麗に整頓されている引き出し。

ミニアルバムと書かれたファイルが目に入り、何も考えずに開いてみた。

スンハ・スンリ・スンミ・スンスクが産まれて最初の対面した時にグミが撮影した子供たちの写真が入っていた。

一枚ずつ挟まっていた。

一番後ろのページをめくると、そこには写真ではなく一枚の診察券が入っていた。

「**クリニック?何でこんな所に行くんだ。勤務先が大学病院なんだから何もこんなに離れた所で受診しなくてもいいじゃないか。」

診察券の裏を見ると次回診察予約が今日になっていた。

予約時間を10分過ぎている。ここのクリニックに電話をすればハニが来ているか判るはずだ。

スンジョはポケットに手を入れて携帯を取り出して電話を掛けた。

2コールで電話を応対する声が聞こえた。

「そちらにオ・ハニは来てますか?

<オ・ハニさんとはどんなご関係ですか?>

「ハニの夫のペク・スンジョです。ハニは・・妻はそちらに行っていますか?」

<はい、ただいま診察中で取り次ぎも出来ないのですが・・・・・夕方には終わると思いますので、その頃にお迎えお願いします。>

「夕方?どうして夕方なんですか?」

電話越しでも判るくらいに相手は不思議そうに話し始めた。

<ご存知ないのですか?オ・ハニさんは・・・・・・・・・・>

一方その頃ハニは一枚の書類を前にして説明を受けていた。

「よく読んで最後に署名と押印をしてください。こちらが書けましたらすぐに担当の者に案内させます。」

「はい・・・・。」

ハニは一文字ずつ緊張しながら説明を読んでいた。

「本当にいいのですね。」

ハニは不安と少しの後悔もあったが、決心したように頷いた。

「はい、大丈夫です。」

署名と押印をして書類を渡した。

渡された相手は書類に不備がないか確認をするとハニの署名と押印の下に担当の署名と押印をした。

「それでは準備をしますので、こちらでお待ちください。」

見慣れたものばかりではあったが、ハニはそちらを見てゴクリと唾を呑み込んだ。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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