小さなライバル達(スンハ) 91
「フフ・・・・本当に可愛い娘ね、スンハちゃんは・・・・オ看護師とよく似ていますね。」
「嫌ですよパク先生、私に似ていないですよスンハは・・・・頭もいいし親の私が言うのもなんですが美人だと思うんですよ。体型もスン・・・・しゅ・・・主人に似ていると思うんですよ、背もスラッと高いですし・・・モテるんですよ。」
昔と変わらずスンジョが大好きなハニは、娘スンハに対しても過剰なほどの表現をする。
そんなハニの言葉にもなれているスンジョは、毎回ハニが大袈裟に言う度に笑えて来そうになる。
「そうですか?外見は・・・・たしかにペク先生にそっくりですが・・・・・ごめんなさいねペク先生・・・」
「いいですよ本当の事ですから。」
スンジョとパク先生の言葉のやり取りが今一つ呑み込めないハニは、キョトンとして二人を見ていた。
「外見はペク先生でも、スンハちゃんの物の考えや心は。お母さんであるオ看護師とそっくりで、純粋で女の子らしいですよ。」
純粋で?・・・・・・・バカ?ガキっぽい・・・・・・・よくスンジョ君やウンジョ君が私の事を今でもそう言うわよね。
「変な事をスンハは書いたのですね?家に帰ったら叱らないと・・・・・・」
「そうじゃありませんよ。スンハちゃんは将来私の様な産科の医師になってオンマが私たちの兄妹を産む時のお手伝いがしたいからそれまではパラン大の産科の先生でいてください。もちろんアッパが私たち兄妹のお父さんでいて欲しいです。」
口をアングリと開けているハニと、ハニの様な文章で呆れているスンジョの顔を見て、パク先生はまたクスッと笑った。
「ペク先生・・。」
「はい。」
「スンハちゃんの希望を叶えるために、あまり仕事ばかりしないで休暇を取って静養しないといけないですね。スンハちゃんが医師になるまでまだ何年もありますから、健康管理もしっかりして頑張って沢山のスンハちゃんの兄妹を作ってくださいね。」
パク先生と看護師の笑い声を背中に受けて、スンジョとハニは顔を赤くして診察室から出て来た。
「もう・・・・もう・・・・・もうもうもう!!家に帰ったらスンハを叱らないと!」
「叱るなよ、手紙じゃ無くて一緒に連れて来たら目の前で言われてただろう。それとどっちがいい?」
「どっちも嫌!今日からスンジョ君は一人で寝てね。この子が産まれたらもう次は産まないから。」
怒り治まらないハニとは対照的に、スンハにからかわれた感じのハニの様子にスンジョは可笑しくて仕方が無かった。
「別に一人でお前が寝ようとかまわないけど、一人で寝てベッドから落ちるなよ。」
ハニの顔を覗きこむようにするスンジョの身体を自分から離すようにしてスタスタと先をハニは歩きだした。
「言っておくけど、部屋を別にしたってスンハの望みを叶えられるし、オレが夜勤の時に一人で眠るのは淋しいって言ってなかったっけ?」
スンジョに言われて、さらにハニは顔を赤くして歩くスピードを速めて歩いて行ってしまった。
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