小さなライバル達(スンハ) 93

「さてと・・・・・何時だ?」

医学部の学生のレポートをチェックして気が付いた時は、子供たちが寝静まった11時になっていた。

「風呂に入って、もう寝るとするか。」

書斎の机の上を片付けて、後ろのソファーの方にクルッと椅子を回転させてスンジョは振り向いた。

ソファーにはいつもだったら、スンジョが調べ物などを片付け終るまでハニは雑誌を読んで待っている事がほとんどだった。

書斎を出てバスルームに向かおうとした時、階下(した)の方から光が漏れている事に気が付いた。

この時間は、お袋は離れの自分の部屋に戻っているはずだ。

電気の消し忘れか?

電気の消し忘れにしても、キッチンの方から物音がカタンカタンと聞こえて来る。

静かに階下(した)の様子を伺いながら階段を降りて行った。

「何をやっているんだ?」

冷蔵庫の中を覗いていた物音の主は、驚いて持っていた物を下に落とした。

「何をやっているんだ。」

「あら・・・スンジョ起きていたの?キッチンの方から光が漏れていたから、てっきり消し忘れかと思ったんだけど・・・・・まぁ!スンハお夜食?」

「お腹が空いて眠れなくて・・・・・果物でも食べようかと思って。」

「剥いてあげるわ。」

スンハが冷蔵庫から取り出した果物をグミは調理台の方まで持って行き、サッサと洗って皮を剥き始めた。

「太るぞ。」

「いいの、成長期なんだから。酷いよね、私とアッパのおかずがないなんて。ご飯とスープだけなんだもん。」

「そうだな、スンハの手紙の所為で、アッパまでおかずなしのとばっちりだ。」

「アッパも何か言ったんでしょ?」

ダイニングテーブルに腰掛けながら、スンジョはクスッと笑ってグミには聞こえない様にスンハの顔を見て小声で言った。

「まぁな、アッパはオンマをからかうと楽しいから。」

「何を言ってからかったの?」

「ん?自分の娘にもからかわれて、お前の頭は中学生以下か・・って・・・・・・それと・・・・・」

「それと?」

「子供には秘密だ。ほらおばあちゃんが果物を持って来てくれたぞ。」

子供には言えるわけないな。

部屋が別にして眠っても子供は出来るぞ、って言ったなんて。

オレに対して怒ったのはその一言だって判っているから。

「スンジョは食べないの?」

「もう風呂に入って眠るからいらない。こんな時間に食べて朝気分良く起きられないからな。」

「わぁーアッパ年寄り!」

「胃腸は中年でも身体は盛年よね?スンジョ!」

ギロッとグミを睨んで、スンジョは二階に上がって行った。

昼間のハニへのからかいはちょっと行き過ぎたかなと思いながら、風呂でサッと汚れを落として寝室に入ると、いつもスンジョが来るまでは点いていた天井灯は消されて、ハニのご機嫌取りをしなければいけない状態だった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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