小さなライバル達(スンハ) 97
「朝から何回トイレに行っているんだ?」
「分かんない・・・・」
「もう、いつ産まれても良い時期だ。看護師なら、記録を取るくらいしておけよ。初産婦じゃないのだから。」
出張に行かないといけないスンジョの冷たい言葉にハニはシュンとした。
「いいか?変わった事が有ったら、お袋やウンジョとミアに言うんだぞ。オレは出張に行くからスンミの時みたいになっても、誰も助けられないのだから。」
「は・・・・い。」
「じゃあ、言って来る。」
「行ってらっしゃい。気をつけてね・・・」
ハニは不安そうな顔をして、出張に行くスンジョを見送った。
「大丈夫?何だか心配だわ・・・様子がおかしかったら、我慢しないで言うのよ。」
ハニは大丈夫と言うように、笑いながらリビングのソファーまで歩いた。
「スンミの時みたいに、家で産まれそうになってもオレは処置出来ないからな。」
「冷たい言い方ね。そんな所スンジョ君と、似てきたわね。」
本当に今回は、不思議なほど大丈夫のような気がしていた。
午後にスンジョが家を出てから、あまりにも平気な顔をしているのが心配で、家族みんなが何度もハニに、大丈夫かと様子を聞いた。
「ただいま。」
「ククスのおじいちゃんだ。」
ギドンの早い帰宅に、スンミとスンスクは嬉しそうに笑いギドンに駆け寄った。
「おじいちゃん、どうしたの?」
「店を、任せて早く帰って来た。スンジョ君がいない時に、スンミの時みたいになっても困るからな。」
信用されていない事に、ハニは少し拗ねた顔をした。
「本当に大丈夫何だから。まだまだ痛みも無いし、下がってはいても大丈夫。今度の子は、胎動も感じないくらいおとなしいんだよ。」
そんなハニのそばで、スンミとスンスクがゾウの絵本を読んでいた。
「ゾウさんは、ノッシノッシと歩いていたら、急に淋しくなって、早く帰って来てパパと泣いた。」
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