小さなライバル達(スンハ) 99
シャワーを浴びてベッドまで行くと、携帯が点滅していた。
時期が時期だけにスンジョは髪の毛を乾かすのも後にして携帯を取った。
ウンジョからのメールだ。
『義姉さんがさっき病院に行ったよ。
まだ間隔は長いが、スンミの時の事が有るから、早目に行くと言ってお袋と行った。
すぐには産まれないかもしれないが、義姉さんからの伝言で気にしないで仕事に専念してほしいと頼まれた。
また連絡をする。 ウンジョ』
ウンジョから来たメールは、30分前に届いていた。
まだ病院には着いていない。
多分車で行ったはずだから、メールを送っても運転中で読む事が出来ないだろう。
明日の会議は午前中で終わり会食が済んですぐに行くとしても夕方には行けるはずだ。
スンジョは明日の着替えを用意して、必要にない物はスーツケースに詰め込んだ。
少しでも早くハニの所に行けるように、その思いだけだった。
ハニはいつもオレを慌てさせる。
産まれるまでには帰れないかもしれないが、出来るだけ早くハニの傍に行くから頑張れよ。
ベッドに入って、スタンドの電気を消そうとした時に携帯が鳴った。
「ハニ?」
<スンジョ君・・・・今、大丈夫?>
「ああ・・大丈夫だ。病院に着いたのか?」
<ウンジョ君から連絡行ったの?>
「メールが来ていた。どんな感じだ?」
<病室に入ったけど、陣痛が遠退いて・・・・・でもパク先生が、スンミの時の事が有るからこのまま入院しなさいって・・・・・スンジョ君がこっちに来る頃までは大丈夫だって。>
「そうか・・・・・・お袋は?」
<心配だからつきそうって言っていたけど、家に私たちの子供と合わせて5人もいるからミアとウンジョ君たちが大変だからって言って帰ってもらった。>
「そうか・・・ゆっくり休んでいつ陣痛が来てもいいように体力を温存しておくんだぞ。直ぐに帰りたいけど、明日の会議は休めないから。」
<大丈夫だって。四人もの子供の母なんだから。>
「いつも真面(まとも)な立ち合いが出来なくてゴメン。」
<気にしていないよ。そう言う仕事なんだから。家族よりも患者さんを助けるのが医者なんだよ。もう消灯時間を過ぎているから切るね。>
意外と元気そうに話していたハニを思って、そばに付いていてやれなくて申し訳なくスンジョは思った。
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