小さなライバル達(スンハ) 103
一番下の弟「スンギ」が産まれてから、もう5年が過ぎた。
オンマもスンギが産まれて一度仕事を辞めたけど、私が大学に進んでから復職した。
私スンハはアッパと同じ医学部に進み、オンマとアッパの伝説となっている二人の結婚前の話を耳にして、これをいつか使いたいと思っている。
「アッパ!」
「ん?」
自慢のアッパは今は教授として医学部で講義をしたり外部で講演をすることが多く、医師としては病院に週数回通っている。
「アッパ、白い髪があるよ。抜いてもいい?」
「ああ・・・・・」
オンマが家にいればアッパが家にいる。
前は逆だと思っていたけど、この5年の間ずっと逆だと思っていた事が逆じゃなかった。
アッパの方がオンマよりも沢山オンマを愛している事を最近になって気が付いた。
いつでもアッパはオンマを見守っているから。
「えーっ!スンジョ君、白い髪があるの?」
未だに高校からずっとアッパの事を<スンジョ君>と言っているオンマは、娘の私から見ても本当に可愛い。
自分が男だったら、絶対に彼女にしたいタイプ
とても5人の子供を産んだなんて思えないというか・・・・
子供がどうして出来るのなんか分かっているのかなぁ・・・・と、思うほど天然な所がある。
この間もご近所のおばさま方に、スンギの次にはもう子供は作らないのか聞かれた時の事、
「もうコウノトリは来てくれないんです・・・・・」
そんな事で子供が産まれるはずがない事くらい、高校生のスンリどころか小学4年生のスンミと3年生のスンスクだって知っている。
愛し合っている男女が、同じ布団で眠ればする事は一つしかない。
「白い髪が出来ても可笑しくないだろう・・・」
「そうよね・・・・私たちも40代になってしまったんだものね。」
そう言いながらハニはスンジョの前にコーヒーを置いて、横にピッタリと貼り付く様に座った。
「違うだろ・・・・・・お前が何を今度は失敗するのか心配で白い髪が出来るんだ。」
こんな風に意地悪な事を言う時の展開が判るから、暫く見ていないふりしてスマホでもいじっている事にしよう。
「最近は何も失敗していないよ。ちゃんと子育ても出来ているつもりだし・・・・・・スンギが小学生になったら子育ても落ち付くから、もう少し家事も頑張るつもりよ。」
「そうなるかな?」
「どういう意味?私はもう子供を産むつもりないよ!」
「ハニとは限らないだろう?」
膨れたハニの口に軽くキスをした。
スマホをいじっているスンハが見ていないと思ってするスンジョの軽いキス。
しかし、グミⅡ世のスンハはしっかりと見ていた。
「アッパ~・・・・・・」
スンハが呼んだ事で二人はパッと離れた。
「大学三年になったし・・・・一人暮らしをしたいんだけど・・・・・」
スンハが突然スンジョの名前を呼んで、一瞬赤い顔をしていた二人の顔が変わった。
これが思わぬ事になるとはスンジョもハニも知らなかった。
0コメント