小さなライバル達(スンハ) 104
「一人暮らしをしたい?」
「うん・・・だめ?」
スンハのおねだり顔は、ハニと瓜二つでスンジョの一番苦手なスンハの顔だ。
「どうして家を出たいんだ?弟や妹たちが沢山いて勉強に支障があるのか?」
「スンギも幼稚園に行っているし・・・・・・昼間は割と静かなんだけど・・・・・・」
「勉強に集中したいの・・・・・・・ね?お願い。」
スンジョもスンハの頃に数か月独り暮らしをした事が有った。
女の子だから心配というハニを安心させるため、自分が仕事部屋として大学時代から借りているその部屋を、スンハに住まわせる事でハニを納得させた。
「じゃあ。」
「ちゃんと栄養のある物を食べてね。お野菜もきちんと摂ってバランスよく食べるのよ。」
「判っている。」
「時々家にも帰って来てね。オンマも行ける時は行ってあげるけど、まだスンギが小さいから頻繁には行けないかもしれないよ。」
「大丈夫だって!家事全般はオンマよりは出来るから。」
「そうね・・・・・」
ハニはソファーに座って本を読んでいるスンジョを振り返った。
「スンジョ君もスンハに何か言ってあげてよ」。
本を閉じてスンジョはスンハを見送るために近づいた。
「本は読んでもいいが、持ち出すなよ。」
「判っているって。もう行くね。」
判っていても仕方がないのよね。
子供はいつか親から離れるのだから。
でも、私はスンジョ君みたいに、クールに送り出せない。
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