小さなライバル達(スンハ) 115
「彼氏が出来たのか?」
スンジョのその言葉に驚いたのはスンハは勿論の事、様子を伺っていたグミとハニも驚いた。
「驚く事はないだろう?この間、特別講義の時にウ先生から聞いたけど、テニス部の誰かと付き合っているのじゃないかって言われたけど、アッパはどんな学生だろうと交際には賛成しないからな。今は学業に専念するんだな。」
きっぱりと言うスンジョに、スンハはグッとこらえて平静を装った。
というより、約束を守らずインスンを何度も部屋に泊めている後ろめたさがあって本当の事を言い出せないでいた。
事情を知っているグミとハニは、スンハの代わりに付き合っている男性がいる事を言いたくて仕方がなかった。
「も・勿論・・分かっているわ・・学業に専念しないといけないよね・・・・それに彼氏なんて・・・・・・・」
スンジョにインスンの事は時期を見て言うつもりだったが、こんなに意志の弱い自分だとはスンハは思わなかった。
パタンとスンジョが書斎に入りドアを閉めたと同時に、スンハはソファーに倒れ込むように座り込んだ。
「オンマァ・・・・アッパに言えない・・・・・怖すぎる・・・・・・・・」
「スンジョ君はスンハもスンミも自分のそばから離したくないんだよ。でも、判ってくれると思うよ、娘はいずれは親から離れてお嫁に行くんだって。」
「そうよ・・・・自分だって21歳で結婚したんだから、そんなに強くは反対出来ないはずないわ。そうだ!いい考えがあるわ。」
グミのパワーがMAXに近くなっていた。
「スンハは産科の医師になりたいのよね。」
「そうよ、それがどうかしたの?」
キラリとグミの目が光り、書斎のスンジョに聞かれない様に三人は顔を近づけた。
「既成事実を作るのよ。」
スンハは孫である自分にとんでもない提案をするグミに驚いた顔を向けた。
「お母さん・・・既成事実って・・・・・」
「そうよ・・・・・・・ハニちゃんとスンジョの孫!産科の勉強もしているんだから、いつなら大丈夫かって解るでしょ?」
グミの提案に呆気にとられているスンハの横でハニは首を横に振った。
「お母さん、それは母親としては賛成できないです・・・・・結婚してからですよ。私とスンジョ君は結婚までは健全なお付き合いでしたから!」
「そう?でも、高校生の時にキスはしたじゃない。」
イタズラにされたキスの事をグミに言われて、言い返す事が出来ないハニ。
グミとハニのやり取りを聞きながらスンハはグミの提案に何か考え込んでいた。
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