小さなライバル達(スンハ) 116
スンハが久しぶりに実家で夕食を食べると言う事を聞いた兄妹たちは、競ってスンハの隣に座りたがった。
「スンミね・・・・・トゥシューズを履くようになったよ。」
「スンスクは、サッカーを習い始めたよ。」
「スンギ・・・・・・・お兄ちゃんになりたい・・・・・・」
スンギの思い詰めたような言い方に、スンハはキョトンとしてハニとスンジョの方を見た。
「何度言ってもお兄ちゃんになりたいって・・・・言うのよ。オンマがスンギを産んだ時でさえアラフォーだったのに・・・・保育園のお友達に妹が産まれたりしているから、しょっちゅう言ってるの。」
「オレが言ってやったんだ。そのうちにお姉ちゃんが結婚したら、すぐに<お兄ちゃん>って言ってもらえるってさ。」
高校生になったスンリは口数が少なくなり、ハニと出逢った頃のスンジョとそっくりになっていた。
「な・・・・・な・・・何を言っているのよ。私はまだ学生だし・・・・医者になるまでは結婚は・・・・・」
シラッとしているスンリは、口に食べ物を運びながら珍しくよく話をした。
「一人暮らしをしているんだし、親が知らない時に男が泊まりに来るって・・・・・よくあるだろう。」
スンリの言葉にハニもスンハもドキッとして、無言で食べているスンジョの顔を覗き見た。
何も気が付いていないような顔をして、淡々と食事をしていて一安心・・・・と思っていたらボソッと一言だけ釘を射すように言った。
「お袋、スンハにそんな相手がいたら関わるな。」
まるで知っているかのような言い方に、またまたハニとスンハはドキリとしたが、グミは何故だかガッカリしていた。
久しぶりに家族そろっての夕食も終わり、ハニは寝室でスンハを送って行ったスンジョが帰って来るのを待っていた。
「ただいま。」
「お帰りなさい、スンハを送って行って疲れたでしょ?お風呂のお湯を入れ替えたから入って来て。着替えは置いてあるから。」
「スンハは誰か付き合っている相手がいるのか?」
「な・・・なんで?」
「いないならいいが・・・・・・ちょっと気になる事があって聞いてみただけだ。風呂に入ってくる。」
スンハとインスンの事は、もうすぐばれてしまうような予感がした。
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