小さなライバル達(スンハ) 117
「インスン、もしかしたらアッパにばれているかもしれない。」
<ホントに?>
「恋愛とかには疎い筈なんだけど、何かひっかかる言い方をしているの。」
<教授にきちんと挨拶をした方が・・・・・・・>
「ダメよ。あの部屋に他人を・・それも男性が入って泊まったなんて判ったら、実家に戻されちゃう。」
<だからきちんと、将来を考えて付き合っていますって言うって言っただろ?>
「無理よ。アッパは大学を卒業して医師として勤務するまではダメって言っていたもの。自分は学生結婚したのによ!」
深夜にボソボソとスンハの部屋から聞こえる話し声。
しっかりとドアを閉めて話してはいるが、声は廊下に聞こえていた。
「ねぇ・・・・・来月はテニス部の合宿でしょ?その時に・・・・・・・・・・」
更に声を潜めてスンハは電話の向こうのインスンに一つの提案をしていた。
<そ・・・・それはダメだよ。>
「強行突破よ。だってアッパは出張が多くてなかなか暫くは会えないんだよ。インスンに掛かってるから、とにかく頑張って!私もちゃんと書いておくから。」
____コン!
「スンハ!時間を考えて電話をしなさい。」
「やばい!アッパだ・・・・・・私は構わないの。インスンと別れるくらいなら先にこうした方がいいかもしれない。」
スンジョはいつまでも電話で誰かと話しているスンハに、呆れたようにため息を吐いて寝室に戻って来た。
「スンジョ君、どうしたの?」
「昔のハニと一緒だ。いつまでも電話をして、なんで女の子は長電話が好きなんだ?」
「そう言う年頃なの。懐かしいな・・・若い頃が・・・・・今では電話の相手は保育園のお母さんか学校のお母さんばかり。スンハの年頃には彼氏とかいなかったから、スンハみたいに叱られる長電話もした事がなかった・・・・・・」
ハニの言葉にスンジョは引っ掛かった。
「スンハに彼氏が本当にいるのか?」い
ハッとして背中を向けた。
昔なら顔に表してスンジョに何もかも分かってしまったが、5人の子供の母親になると子供たちと自分だけの秘密をうまく隠せるようになっていた。
「いないと思うよ・・・多分。スンハはそう言う人が出来たらきっと最初にスンジョ君に言うはずよ。」
「そうかな?」
「そうよ、スンハはアッパ大好きっ子だから。私が焼きもちを妬くくらいスンジョ君もスンハを可愛がっているでしょ?」
「焼きもちか?オレはハニが一番好きだけどな。だから今夜もこうしてハニを放さないようにしているだろ?」
「ゃ・・だ・・・・もう疲れたから寝ようよ。」
大胆な行動に出るスンジョに今でもハニは顔を赤くして応える。
そんなのは無駄な抵抗だと判っていても、何年経ってもハニは慣れる事が出来なかった。
スンハは電話を切った後、何時間もかけていくつかのプランを考えていた。
アッパの誕生日には何回チャンスがあるか。
計画通りだとこの日に間違いはないはず
スンハの計画は何なのか、まさかそれを取り入れるとは誰も思わなかった
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