小さなライバル達(スンハ) 118
スンジョが数日分の着替えをバックに入れて、部屋のドアを開けるとスンハと出くわした。
「昨夜は遅くまで電話を掛けていたな。」
「うん・・・・・実家に帰ったら興奮して眠れなかったから、友達に電話を掛けていたの。アッパに会いたいって言う人がいてね、テニス部の・・・・」
「出張に行く日が早まったからもう出ないと行けなんだ。今から迎えの車が来るから急いでる。帰って来てから話を聞くよ。」
スンジョが出張に行くため急いでいたのが幸いしたのか、きっかけを失ってまた余計な悩みを抱えたままになるのか。
ダイニングに向かうと,昔から見ていたグミとハニが忙しそうにしている光景。
学校に行くために静かに著色を食べている弟や妹たち。
先に家を出る人から、順番に食べて行かないと片付かない。
「あら、おはようスンハ。直ぐに食事を用意するわね。」
「いいよ、オンマ。今日は急いで学校に行かなくてもいいから。」
弟や妹たちは急いで食べ終わると、それぞれスンハに挨拶をして家を出て行った。
「あの・・・・・今度の日曜日・・・・オンマとおばあちゃん・・・・用事はあるかなぁ。」
「私は無いけど・・お母さんは、撮影の方はどうですか?」
「スンハの為ならスケジュールを変更は出来るけど・・・・何かあるのかしら?」
「インスンが・・・・・挨拶をしたいって・・・・オンマに・・・」
勘の良いグミは、初めて聞いたインスンと言う名前が、スンハとどういう関係の人物なのか直ぐに判った。
「スンハや、おばあちゃんも一緒に挨拶をしたいわ。」
「おばあちゃんも?そうなると力強いわ・・・・・アッパは絶対に恋愛はダメって言うに決まっているから、インスンと付き合うのを、オンマとおばあちゃんだけでも賛成して欲しい。」
グミとハニを味方につけたスンハは、上機嫌で家を出て学校に向かった。
「お母さん、スンジョ君の出張は本当は一日早くなったんじゃないんですよ。」
「どういう事なの?」
「スンジョ君・・・・スンハがお付き合いしている人がいるんじゃないかって思ってるんです。この間、マンションに行くように言ったのも誰かが来ているのか見て欲しかったんじゃないかなって思うんです。」
スンジョの意外な所を発見して、グミは楽しそうにハニの話を聞いていた。
「だって・・・スンジョ君が持って来てほしいって言った物は、古いただの医学書なんです。一度見たら頭に入る人には必要のない物なんですよ。」
二人でコソコソと話しているのをスンギは不思議そうに見ていた
5歳になったスンギは、グミとハニの二人が話をしている内容が、少しわかるようになっていた。
「それに昨夜スンジョ君トイレから帰ってから、ベッドの中でこんな事を言ったんです。<スンハが誰かと話をしているけど、子供の頃から仲の良いユアやジュナ達でもなさそうだけど・・・・・まさか誰かと・・・・もしそうなら、注意しないと>って言っていたんです。」
二人は声を揃えて笑いながら言った。
「天才級の焼きもち妬きスンジョが芽を出した。」
スンジョが医学部生でハニが看護学科の学生の時に焼きもちを妬いた時から、時々スンジョの事を二人はそう呼んでいた。
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