小さなライバル達(スンハ) 120
スンハの家族の自己紹介を終えて、インスンの自己紹介を待つペク家の人々の視線は、インスンが最初に発する言葉に期待を込めていた。
「インスン君、無愛想な私の息子は今日は帰って来ないから、もう少し楽になさったら?」
「はい・・・・」
それでもペク家の大人数の視線が自分に注がれているから、額に汗を掻いて固くなっていた。
「オレはこの場所にいない方がいいかもしれないな。子供たちを連れて、上がっているから。」
スンジョをひと回り小さいくした感じのウンジョを気にしている様子に気が付いて、スンミ・スンスク・スンギ・ウジョンを連れてウンジョ達家族専用の居間がある三階に移動した。
スンリは弟たちに付いて行かず、父スンジョの書斎に本を読むと言ってリビングから出て行った。
「スンハ、いつから付き合っていたの?」
「ファン・インスンとは大学に入ってテニス部での新歓の時に、隣りの席に座ってお互いに一目ぼれをしたの。インスンって・・・・・・ペク・スンジョ二世って言われているの。似ていると思わない?」
「全然!!」
小さな声で言ったつもりが、ハニの声は意外とよく聞こえた。
「すみません、似ていなくて。」
「スンジョ・・・・スンハのアッパの方が比べ物にならないくらい素敵よ。」
「はぁ・・・・・・」
母の父一筋の言葉にスンハは呆れ顔をした。
「娘の彼氏とアッパを普通は比べないでしょ!ゴメンね、家の両親はバカップルなんだから。」
教授であるスンジョが、妻以外興味が無いという事は、大学中では有名だったがそれはただの噂に過ぎないとインスンは思っていた。
それでも目の前にいるスンハの母が、娘と姉妹と言ってもいいくらいに若く見えるという噂は本当だったと感じた。
「教授が在宅してない時に挨拶するのは気が引けるのですが、スンハさんから何度か僕との交際を告白しようとしても、その事を避けているみたいだからという事で、お母様だけにでも報告することになり、教授の不在の時の挨拶をお許しください。」
インスンの礼儀正しい言い方にグミは一度で気に入ってしまっていた。
「いいのよそんな事。あの意地悪な捻くれ者のスンハの父親が素直に会うとは言わないでしょうから、私とスンハの母さえ味方に付ければ大丈夫よ。」
「すみません・・・・・将来の事も考えてこれからお付き合いさせていただきたいので、必ず教授にはきちんと挨拶をさせていただきます。」
将来の事・・・・・・
その言葉を聞いたグミは、アンテナからしっかりと自分のメモリーカードにソ本情報を送り記憶された。
内心、久しぶりに自分の出番が来た事に、力が湧いてきているように目が輝いていた。
「将来の事って・・・・・・・もしかして・・・結婚するって事?」
「そう、インスンと結婚したいの。だからそれとなく話していても、避けているから今いい方法を考え中なの。」
スンハのいい方法と言うのが何なのかハニはまだ判らなかったが、スンハとインスンは計画を実行する事に決めていた。
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