小さなライバル達(スンハ) 122
「スンジョ君、ブランケット持って来たよ。」
スンジョに言われて書斎にブランケットを持って来ると、スンジョはソファーで眠っていた。
「大変な出張だったみたいね、お疲れ様。」
ハニは静かにスンジョの身体にブランケットを掛けた。
眠っているスンジョの顔を見るのはハニの秘かな楽しみ。
傍にしゃがんで幸せそうな顔をして眺めている姿は、高校生の時と変わらないくらいにスンジョの事が大好きだという雰囲気がある。
「スンハももうすぐ21歳だよ。あの頃の私たちは何をしていたのかなぁ・・・・・スンジョ君がヘラとお見合いをして・・・今でもあの時が一番スンジョ君が悩んだ時だと思う。私も苦しかったけどスンジョ君も苦しかったよね。初めて見た夢を諦めようとしていたし・・・・・・・私の片思いも終わりにしようと思った矢先に、スンジョ君が結婚宣言をして、あっという間に本当に結婚しちゃったね。結婚した事は今でも夢みたいだけど、スンジョ君の五人の子供の母親になれてすごく幸せ。バカな私が、スンジョ君やお母さん達に助けられてなんとか子供を育てたけど・・・・気が付かないうちにスンハが私たちが結婚した年齢と同じになっちゃった。25歳の時にスンハが産まれて30歳でスンリを産んで・・・・・スンハがお嫁に行くって言ったらスンジョ君どうする?」
「まだ学生だから、結婚は早い。」
眠っていると思っていたスンジョが、いきなり起き上がって声を出しハニは驚いて尻餅を付いた。
「お・・・起きていたの?」
「お前の独り言・・・・五月蠅すぎだ。」
「ごめんなさい・・・・・・もう少し小さい声で話せばよかったね・・・・・」
大きく伸びをしてスンジョは肩を揉みほぐした。
「最近、スンハもだけどお前も様子がおかしいな。何か隠しているのか?」
スンハの為にももう少しスンジョ君に内緒にしないといけない・・・・・・
「何もないよ。スンジョ君に隠し事なんてするはずがないじゃない。」
「ふぅ~ん、そうか?スンハは彼氏がいるのか聞くと慌てるし、オレのスケジュールは詳しく聞きたがるし・・・・・この間スンハの部屋に朝行くと掃除をしている。あのマンションの管理人が女子学生の部屋に男が頻繁に来ていると言っていたけど、あのマンションは女の子の一人暮らしはあまりいないぞ。」
「スンハは・・・そんな事はしないよ。ちゃんと約束を守っているから。」
「いや・・・・何かおかしい。言わないとこうするぞ。」
「きゃっ!」
スンジョはハニの腕を引っ張ってその勢いでハニをソファーに横たえさせた。
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