小さなライバル達(スンハ) 123
「こ・・こうするぞって・・・・・・何をするの・・・・・や・・・・やめてったらぁ・・・・・・・」
ハニの何かに抵抗する声は、キッチンでシンク周りを掃除していたミアの耳にも届いた。
「お・・・・お姉さんたち・・・こんな時間から・・・・・・」
ミアはハニの叫び声に、顔を赤くして心の動揺を落ち着かせるためにキッチンから離れて、洗濯物を干しに外に出て行った。
「おい、そんな大きな声を出すなよ。」
「だって・・・・だって・・・・・もう・・・・・もうだめ・・・・・・・・」
「だから、静かにしろよ。脇腹をくすぐっただけだろう。ミアに聞こえたら誤解をするじゃないか。」
深呼吸を何度もしてハニは息を整えた。
「どうしてくすぐるのよ・・・・・脇腹が弱いって知っていて、いつもそうするんだからぁ!」
乱れた髪と洋服を整えながらハニは起き上がった。
「なら、話せよ。何をオレに秘密にしているんだ?」
「秘密なんてしてないよ。私が秘密を出来る人間だと思う?」
スンジョは目を逸らして、何もなかったようにしているがハニは絶対何か隠している事に気が付いていた。
「そっか、ハニがそうやってオレに隠し事をするのなら、オレが出張中に女性医師たちと楽しんで来た事を言わなくても済むな。」
「えっ?女性医師と?な・・・・なにを・・・・」
「さ・・・寝るか。」
スンジョはハニが持って来たブランケットを着て横になった。
どうしよう・・・・・スンジョ君が浮気をしちゃった。
でも、スンハとの約束だし・・・・・出張中に何が有ったのか・・・・・あ~ぁ、気になるぅ・・・・・
「言う・・・・言うわ・・・・・・」
「別にいいぞ、無理してオレに言わなくても。」
スンジョは判っていた。
ハニの弱点は脇腹ではなく、スンジョがハニ以外の女性と接触する事が一番の弱点だと知っていた。
スンハ・・・これだけ・・・これだけね。
「あのね、スンハが片想いしているんだって。先輩に・・・・・・医学部の・・・・・」
言っちゃった・・・・・・・
「そうか、片想いか。なら・・・まぁいいだろう。」
「へっ?それだけでいいの?」
意外なスンジョの答えにハニは拍子抜けした。
「ああ、片想いならね。いきなり<この人と結婚します>なんてスンハなら言いそうだからな。」
それだけを言うと、スンジョは目をつむった。
「スンジョ君、女性医師と楽しんだって・・・」
「あ~ぁ、あれ?学生の発表が今回は素晴らしくて、とても有意義のある出張だと思った事か?」
だ・・・騙された・・・
スンジョはハニが自分の掛けた罠に掛かって話した事がおかしくて、ニヤッと笑ってまた目を閉じた。
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