小さなライバル達(スンハ) 124
「そっかぁ・・・・・言っちゃったんだ。」
<ゴメンね・・アッパにはどうしても勝てないから>
「でも、それだけなら大丈夫だよ。アッパに認めてもらう様に、インスンと二人で計画を立てるから。」
<計画を立てるって・・・・・まさかおばあちゃんの考えを実行するんじゃ・・・・ダメよ。ちゃんとアッパに話して結婚してからじゃないと。それこそアッパが怒る原因になる・・・・・>
「あっ、もう授業が始まるから。心配しないで、そんな事はしないから。」
そんな事はしない、そう言ったスンハだが、どうしてスンジョにインスンを会わせる事が出来るか考えていた。
「スンハ、どうしたんだ?」
「インスン、あのさ・・・オンマがアッパに言ったみたい。私がインスンに片想いって。」
「片想いか、じゃあきっかけは来月のテニス部の合宿で練習していて・・・距離が近づいた・・・にする?と、言いたいんだけど実は夏休みまでの短期間の留学が決まったんだ。」
「留学?希望してたけど無理だと思うって・・・・そう言っていたじゃない。」
インスンはスンハに申し訳なさそうに、頭を下げて謝った。
「ごめん、留学希望のレポートが通って・・おまけにそれを高評価してくれたのが、ペク教授なんだ。」
「アッパが・・・・」
先日のスンジョの出張は、国費で留学するために各大学から募集した学生のレポートを審査するための集まりに出掛けていた。
スンジョにインスンを会わせる為に先にハニやグミに紹介をして、自分たちに味方を付けてから忙しいスンジョのスケジュールに合わせて紹介しようと思っていた矢先に決まったインスンの留学。
「予定していたアッパの出張が1日早くなったと思ったら、インスンがレポートを出していた希望者の多い留学希望が通るなんて、これが私たちの運命なの?」
「そんな大げさに考える事もないよ。留学は何年もじゃなくて8月までの短期だから。スンハの為にも教授に会って、一度で許してもらえるよう頑張って勉強をしてくるから。そうすれきっと上手く行くさ。」
今は寒い冬。
インスンがすぐに国を立って帰って来るまでの、スンハにとおって淋しい日が続く。
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