小さなライバル達(スンハ) 131
ペク家は・・・と言うより、ハニは朝から家の中を忙しく片付けていた。
普段の掃除を怠けているわけではないが、一番幼いスンギはまだ5歳。
自分の子供を含めてウンジョとミアの子供のウジョンもいるから、ペク家には上は高校一年生のスンリから下は5歳のスンギまで、スンハが家を出て行っても5人もの子供がいる。
「オンマァ・・・・遊んで。」
「スンギ、ゴメンね。今日はお客様が見えるから、お片付けをしないといけないの。」
「お客タマ?」
「スンハお姉ちゃんが、お昼ごろにお客様を連れて来るから、スンリお兄ちゃん・スンミお姉ちゃんとスンスクお兄ちゃんとウジョンお兄ちゃんとお部屋で大人しくしていてね。」
あ~不安だ。
一体スンハは、どんな話をするんだろう。
お母さんも撮影が遅れているみたいだし・・・・・スンジョ君の留守を狙ってスンハ達が来るのもいいけど、スンジョ君に、いずれは言わないと・・・・・・
「ただいま・・・・あら?ハニちゃんどうしたの?」
「あっ!お母さん、お帰りなさい。スンハがインスンを連れて来るんです。」
「スンハが?インスンを?何かいい話かしら?」
「分からないんですけど・・・・・・・はぁ~なんとか、片付いたわ。」
ドカッとソファーに座りこんだハニの前に、グミは冷たいジュースを持って来た。
「スンギが産まれてから、ハニちゃんとお兄ちゃんに良い話が無かったから、今度からは成長した孫たちからいい話を聞く事になるのよね。」
お母さんは私が40歳を過ぎているのに、今でも私たちにまた子供が出来ないかと聞きたそうにしている。
この歳で出来たら、体力的に夜中の授乳が出来るか不安・・・・・・・
それに比べて、お母さんはどうしてこんなにパワフルなんだろう。
私なんて、結局スンジョ君を手伝うために看護師になったのに、子供のために今はパート勤務にしているのに、いつの間にかスンジョ君は教授に昇格して・・・・・・・出張が多くてお手伝いも出来なかった。
「ハニちゃん、スンハ達が来たみたいよ。」
ポーチで聞こえるスンハの話す声。
勢いよくドアが開いた。
いつもと変わらないスンハのドアの開け方。
「ただいま。インスンも一緒よ。」
普段着のスンハの後ろに、ネクタイにスーツ姿のインスンが立っていた。
なにか様子が違う。
ただ実家に帰って来るスンハを送って来たついでに、挨拶をしに来たわけではなさそうだ。
家の中に入ったインスンを見て、いつもと違い妙に緊張をしている事に気が付いた。
「座っていてね、直ぐに何か飲む物を用意するわね。」
グミはそう言って、その場をハニとスンハとインスンの三人だけにした。
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