小さなライバル達(スンハ)番外編3
スンジョは気難しい顔をして、リビングで新聞を読んでいた。
いや、読んでいたというより睨んでいた。
その様子をハニとグミはクスクスと笑って見ていた。
スンリたち四人は二階の階段の手すりの隙間に順番に並んで、異様な空気を出している父であるスンジョを警戒していた。
「ねえ。ハニちゃん・・・・自分は、いきなり<結婚したい>って言って21歳で結婚したのにねぇ。」
「お母さんそれを言っては・・・・・・」
「オレはあの時、大学を出てからって言ったはずだ!」
「私の考えくらい分かっていたはずよ。それに、本当に嫌なら、いつものスンジョだったら反対したでしょ。結婚式の時のあなたのあの嬉しそうな顔!今でも忘れないわ。スンハに見せてあげたいわ。」
ハニとグミが顔を見合わせてクスクスと笑い始めると、スンジョは新聞を叩きつけるように置いて書斎に入って行った。
ハニは静かに書斎のドアを開け、机にコーヒーを置くとスンジョの後ろから肩越しに腕を廻した。
スンジョは、ハニがこうしてくれるとイライラした気持ちも落ち付き、肩の力も取れて素直になれる気がした。
「スンジョ君らしくないね。どうしてそんなにイライラするの?」
スンジョは自分に廻されたハニの腕に軽くキスをした。
「最近のスンハは、オレとあまり話さなくなったな。」
ハニはスンジョの言葉にクスリと笑った。
「スンジョ君・・・焼きもち妬いているの?」
「焼きもちか・・・・・・・そうかもな・・・・いつまでも子供だと思っていたスンハが親になると聞いて、淋しくなったのかな?」
「スンハ一人だけじゃないのよ子供は・・・・・・出来れば母親としてはスンハのお腹が大きくなる前に結婚させたいわ。」
ハニが目を輝かせているのを見ていると、スンジョの気持ちも少し和らいで来た。
「ハニも何だかお袋に似て来たな。」
「そうかもね・・・・・義理のお母さんでも本当のお母さんのようで、似て来たって言われるのも嫌じゃないわ。スンジョ君もおじいちゃんになって私はおばあちゃん、お母さんは曾おばあちゃん・・・・ペク家もオ家も早い時期におじいちゃんおばあちゃんになる家系みたいね。」
40代になっても二人は昔と変わらず仲がいい。
スンジョも変わらずスマートで巷の同年齢の人と比べても比較にならないほどカッコイイとハニはいつも思っていた。
ハニも沢山の子供を産んでいても変わらず若々しくて華奢だ。
「ハニ・・・・・・・今度、時間を取って家にスンハと彼を食事に招待して、今後の話でもしてみようか。」
「スンジョ君・・・・・・いいの?」
「こうなってしまったら反対するわけにもいかないし、彼の話も来書いてあげなければならないだろう。お袋も張り切るだろうし、お義父さんも呼んでみんなで顔を合わせをするか。」
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