小さなライバル達(スンハ)番外編7
ペク・スンジョとオ・ハニ夫妻の長女スンハの結婚式まであと4ヶ月。
父の後継者として注目を浴びて進学したパラン大学医学部の学生だったスンハは、スンジョの誕生日に突然一人の青年ファン・インスンを連れて現れた。
「アッパ、彼と結婚をしたいの。孫もいるのよ。」
グミⅡ世と言われるスンハの突然の宣言にスンジョは驚いた。
大学に進んだ時に、一人で生活をしたいと言い出したのを不信に思ったが、スンジョの使っていたマンションなら居場所が判るからと安心していた。
相手のファン・インスンは、同じ医学部でスンハより一つ年上の有能な青年だった。
自分だけが愛娘の付き合っている青年の事を知らなかった、自分がハニと結婚する前の頃を思い出してスンジョは悲しそうに笑った。
「アッパのお嫁さんになるとずっと言っていたのに、彼氏がいた事を一言も言わなかったな。家族を守っているようでいたが・・・・・・・・・」
ハニが大きくなったお腹をかばう様にしてコーヒーを運んで来た。
「スンジョ君、コーヒーを持って来たけど。」
リビングの机にマグカップを置くと、二人掛けのソファーのスンジョの横に声を掛けながら腰かけた。
「ヨイショ・・・・・この年になって双子がお腹にいるのは大変ね。ふぅ~~~~」
大きなため息を吐いて、ハニはスンジョの横に深く腰を下ろした。
ハニの出産予定日はスンハの予定日と2ヶ月違い。
グミは孫と曾孫が同じ年に誕生する事が嬉しくて、毎日楽しそうに過ごしていた。
「検診の結果はどうだった?パク教授の診察の時は、講義が入っていて一緒に行けなかったから気になっていた。」
「うん・・・・多分問題ないと思うんだけど・・・・・」
何か引っかかるハニの言い方にスンジョは表情を変えた。
「多分?思う?」
「年齢が年齢だけに、双子を自然分娩では不安があるらしいの。早目に入院した方がいいらしいんだけど、スンリ達の事が心配で・・・・特に末っ子のスンギはまだ4歳だし・・・・」
成人したスンハは21歳、長男スンリは16歳で母親がいなくても淋しがる年齢ではない。
その下の兄妹たちはまだ幼い。
次女スンミ10歳・次男スンスク9歳・三男の末っ子スンギは5歳。
「いくらスンリが高校生でも、妹や弟たちの世話で勉強をする時間が無くなるとは言わないけど、本心は自由な時間がほしいと思うの。」
「あらぁ~私がいるでしょ。世界を飛び回っているから、世間一般のおばあちゃんより体力も元気もあるわよ。それにスンギだって最近は幼稚園で張り切っているみたいよ。」
「・・・・・・でも2~3ヶ月は入院になるのですけど。」
「構わないわ。スンハがお式を挙げるまでは、たった四人の子供の世話なんてどうって事ないわ。でも、賑やかになるわね。」
グミはいつだって楽観的な物の考えをしている。
それがペク家の仲良し家族でいる事の源になっているようだった。
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