小さなライバル達(スンハ)番外編8
「スンハ、ごめんね。」
ハニは、高齢で双子を妊娠しために予定日よりも早く入院する事になった。
「平気よ。結婚の準備は、殆ど終わったから安心して。オンマにしたら良くやった方だと思うよ。」
「そうやって意地悪を言うところは、アッパとソックリ!」
子供みたいにふくれっ面のハニは、とても40代には見えない。
そんなハニを見て、スンハとスンジョは顔を見合わせて笑った。
「オンマは、意地悪を言うアッパが好きなんでしょ。今でも【スンジョ君~ L(^o^ve)】って、甘えた声で呼ぶくらいだものね。それにアッパだって、オンマとふたりっきりになると、【世界中の誰よりもハニを愛してる】みたいな顔をしているんだもの。おかげで私たち子供の団結力はギネス物よ!」
「スンハったら、親をからかわないで・・・」
少女の様に顔を赤くする母を娘は、感謝と愛情をこめて抱きしめた。
「私も、素敵な両親に習って素敵な夫婦になるわね。おばあちゃんもおじいちゃんと仲が良かったし、ウンジョ叔父さん夫婦も仲が良いから、きっとペク家は相思相愛早婚の家系なのかもね。私・・・オンマとアッパの子供として産まれて幸せ。ありがとう・・・」
「ううん・・・無器用で頭の良くないオンマの子供になってくれて・・・・アッパにも、言ってね・・・・・」
ハニは自分が叶えれなかった花嫁として母に言う事が出来なかった事が、母になって憧れていた光景の立場は違っても夢が叶い涙が流れて来た。
「オンマは明日から入院するんだけど、身体の弱いスンミと幼いスンギをお願いね。スンリにはスンハの手伝いをするように言ってあるから・・・・・・・・」
「大丈夫、私は順調だから・・・・おばあちゃんも帰国しているしギドンおじいちゃんも手伝ってくれるから。結婚式には絶対にオンマに出てもらいたいから、兄弟たちの事は何も心配しないでね。」
妊娠8ヶ月になった娘スンハに負けないくらいに大きなお腹になった母ハニのお腹。
そんな二人を温かい目で、スンハの父親でありハニの夫であるスンジョは見ていた。
学生結婚で早くに結婚し数年後に長女スンハが誕生し、子供が欲しいと思ってから割と早くに親になった二人。
スンジョ自身が自分の気持ちに気付かず、恋愛期間も無くデートもした事も無かったが、結婚してからは誰もが羨むほどのラブラブな毎日を過ごしていた。
若い親になり、スンジョが頤使として独り立ちした後に四人の子宝に恵まれ、娘の結婚と初孫誕生とまさかの双子妊娠。
二人だけの静かに過ごした時間もなく、毎日が慌ただしく過ぎていた。
もうすぐ、スンジョとハニの大切に育ててきた娘の結婚式。
父親として母と娘が嫁ぐ日の準備をしている姿に、スンジョは目が潤んで来た。
娘スンハの結婚式まであと一月・・・・・
母グミに似た賑やかな娘が嫁ぐと寂しくなるだろうとスンジョは思った。
それとは別にして、また新たな命の誕生でハニの忙しい毎日が始まるのだろう。
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