スンリのイタズラなKiss 6
「えっ!スンリがキスをした!?」
一番聞かれなくない二人に聞かれた。
祖母のグミと姉のスンハの家中に響く大きな声が二階から聞こえて来た。
中学生になったスンミと小学校高学年のスンスクは顔を赤くし、スンギは楽しい事だとでも思ったのかニコニコとしていた。
そして、スンハの部屋から出て来たインハは、大好きな叔父が家に帰って来た事が嬉しいのかピョンピョンと飛び跳ねていた。
ハニはまだ子供だと思っていたスンリがキスをしたと聞いて、驚いて口をポカンと開け、双子のスングとスアはお互いに顔を見合わせてチュッとキスをしていた。
「そうなんです。私ったら、あのパーティで一目ぼれをして、母に話しをしたのですよ。そうしたら母が<ペク家とワン家の運命かも>って・・・・なんだかよく判らないけど、産まれて初めてなんですよ、男の子を好きになるのは。」
パタパタとグミは二階から降りて来て、ソラの手を取り向き合った。
「運命じゃないわ、因縁かも・・・・・」
「お・・・・お母さん・・・・」
「因縁?って、ワン家とペク家に何かあるのですか?」
さすがにグミはそれ以上の事を言う事は、ハニや孫たちの前で言う分けにはいかない。
あのクリスマスパーティの後で、ハニがスンジョと少し思い出したくない過去の事で言い争いをしていた事を知っているから。
スンリとソラのお互いの親に、ブラックな消したい過去がある事は孫たちに言えないどころか、自分でも忘れたい時期でもあった。
「因縁・・・・・じゃなくて・・・・まぁ、仕事関係の長い付き合いだから色々あったのよ。でも今は会社同士もすごくいい感じだから・・・・因縁って言っただけよ。気にしないでね?」
「ところでうちのスンリとキスって・・・・・・まさかスンリからしたの?」
「オレがするかよ。こんな女はタイプじゃない。」
「スンリ、あなたはソラちゃんとお似合いよ。絶対に放したらダメよ。」
「おばあちゃん!余計な事は言わないでほしいよ。オレの好みの女性は・・・・・・好みは・・・・・・・」
スンリの好きなタイプの女の子なんて誰も知らない。
チラッと自分を見ている家族の方を見ると、聞きたくてウズウズしている。
「スンリの好きな女の子のタイプって・・・・・・・・どんな感じなの?」
「心がピュアで、人の為に泣いたり笑ったり変化のある表情が自然に出来る女の子だよ。コイツみたいに強引に付いて来たり、勝手にキスをして来る。人の気持ちも考えないような奴は嫌いだよ。」
大人たちの好奇心の目から避けるように、スンリは二階の自分の部屋に入り怒りをぶつけるようにドアを思いっきり閉めてカギを掛けた。
「スンリお兄ちゃん、すごく怒っていたね。」
スンギは隣にいるスンスクにボソッと言うと、スンスクは静かに弟の手を引いた。
「早く部屋に行こうか?スンリお兄ちゃんは、今日は遊んでくれそうもないから。」
スンスクは弟を連れて、自分たちの部屋に入って行った。
スンミは大人たちの会話を階段の上からしゃがんで聞いていた。
「ソラちゃん、あなたとうちのスンリとはお似合いだと思うわ。」
「そうですか?」
「そうよぉ~。私はそういう能力があるみたいなの。スンリの両親に、スンリの叔父夫婦、スンハ達も、みんな私が応援して結婚した人たちなのよ。」
ソラはグミの応援するような言葉を聞いて目を輝かせていた。
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