スンリのイタズラなKiss 7
不機嫌なスンリの顔を三人は、ニヤニヤと見ていた。
「何だよ。」
「で・・・・・どうだった?女の子の唇は?」
「知るか!そんな事!」
四人の周りでスング・スア・インハが走り回っている。
ダイニングではスンミ・スンスク・スンギとウンジョとミアの子供ウジョンが、大人たちの様子を伺いながら見ていた。
「スンリ、もしかして初めてのキス?」
スンハは弟をからかいたくて仕方がなく、目をいたずらっ子のように輝かせていた。
「あら!スンハ、スンリの初めてのキスは私よ。」
「オンマと初めてのキスなんて、それは除外よ。」
「それなら、スンハあなたは誰なの?」
スンハはインハの方をチラッと見て、ハニとグミと三人は顔を近づけてボソッと言った。
「中学一年の時に、生徒会長をしていたキム・テウン。」
「うそっ!オンマ知らなかったわ。てっきりインスンだと思っていたわ。付き合ってたの?」
「デートは、二・三回したかな?内緒よ・・・・・それでね、すぐに別れたの。」
「あらっ!どうして?」
「ペク・スンジョの娘だってバレて・・・・・アッパって怖がられていたのよ。子供たちの中で。」
グミはスンジョの顔を思い浮かべながら、なるほど頷いていた。
「もう、いいだろう!試験も終わったから、風呂に入って寝たいんだけど。」
「ダメよ!」
スンハは立ち上がりかけたスンリの腕を引っ張って、強引にソファーに座らせた。
「これは、おばあちゃんから伝授された方法だけど・・・・・・」
「私が何をスンハに伝授したの?」
「もしアッパが二人の交際を反対したら。」
ここまで来ると止まらないスンハの暴走発言。
スンリは姉・母・祖母三人が揃うと、よくない事が起きるという事を知っている。
早く父スンジョや叔父のウンジョが帰って来てくれればいいと思いながら、耳を澄ませて気を外に向けていた。
「交際も何も、オレはアイツとは付き合っていないし付き合う気はないから。」
「付き合うのよ。あなた達はお似合いなんだから。」
耳を澄ますと、ガレージが開く音が聞こえる。
あの車のエンジン音は親父だ。
助けてくれよ、この女三人の暴走発言を。
「スンリ!既成事実を・・・・・」
「ダメ!それはダメ!」
それまで黙っていたハニが、顔色を変えて大きな声を出した。
「オンマ・・・・・・どうしたの?」
「スンリ・・・・・・・ソラとは付き合わないで。あなたがオンマやアッパの事が好きなら、絶対にお付き合いはしないで・・・・・・・」
ハニはそう言うと、泣きながら寝室のある二階に駆け上がって行った。
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