スンリのイタズラなKiss 9

ソラが来てからのお袋の様子がおかしい。

当然、お袋に元気がないと家の中は平穏だ・・・・・違った・・・・暗い。

親父がいる時は嬉しそうに、まるで大恋愛中の恋人のように顔を眺めているのを親父は誰も見ていないと思っているかもしれないけれど、お袋の視線に気づかないふりをしているけど顔はニヤケている。

が、今日は元々無愛想な親父の顔が、お袋に元気がないのと合わせるように冷たくて誰も話をしない。

まだ、小さなスングとスアそれにインハだけはいつもと変わらず訳の分からない事を三人で話している。

こんな時の親父に話しかけられるのはただ一人・・・・・いや二人だけだ。

その二人も今日に限って、さっさと夕食を食べてこの場から逃げようとしている。

「親父・・・・・・話があるんだけど・・・・・・」

「食事が終わってからにしろ。」

テッ・・・・・・姉さん何だよ、足を蹴る事ないだろ。

スンリのバカ!オンマを泣かせたのはアンタなんだから、アッパが一番怒っている相手は自分だと気が付きなさいよ。

姉さんは何で今日に限って夕食まで食べて行くんだよ。

サッサと家に帰ってインスン義兄さんの帰りでも待ってろよ。

どうだっていいでしょ。こんな状況で帰っても、おばあちゃんとアッパが喧嘩するじゃない。

「オンマ・・・・・・チー・・・・」

タイミングがいいのかインハが尿意をもよおしたのか、ようやく人の声を聞く事が出来た。

「ゴメンゴメン、今トイレに連れて行ってあげるね。」

インハがトイレだというと、同じ年のスングとスアもそれに続く。

ハニがスングとスアを連れて、二階のトイレに連れて行った。

椅子がガタンと音がして、スンジョが食べ終わった事にスンリは気が付いて急いで残っている食事を食べた。

「ハニが戻ったら書斎にコーヒーと・・・・スンリは何を飲む?」

「ちょっとだけ・・・・アルコール・・・・・」

ギロッとスンジョは睨んだが、スンジョも気が付いていた。

スンリはアルコールを少し含んで、自分に聞きたい事が有るという事に。

書斎をノックすると、直ぐに中から父の冷たい声が聞こえて来た。

いつも調べ物をしている事の多い父が、今日はスンリが来る事を待っていたように、出入り口の方を向いて座っていた。

「そこに座って。」

父の顔を見ていると自然と目を逸らしたくなる人の気持ちが判る。

「あの・・・・」

スンリが話そうとしていると、それをスンジョが止めた。

それと同時にドアが開いて、ハニがスンジョのコーヒーとスンリへはギドンが作ったマッコリが運ばれて来た。

「スンリ・・・・一気に飲まないでね、おじいちゃんが作ったマッコリは酔いが回りやすいから。」

「うん・・・・・・・」

母の目が赤いのはきっとあの後も泣いていたのだろうと思った。

一口飲むと身体中がフワッとして来た。

「話って?」

「あの・・・ソラの・・・・・・ワン・ソラの事だけど・・・・・・・」

「オンマが嫌がる事は、言わないししないから。」

「親父・・・・・」

「アッパが間違った判断をしたから、オンマがそれを思い出すんだ。」

「間違った判断?どんな事?」

「それはいつか分かるけど、それをスンリに知られるのもアッパもオンマも悲しい。」

結局、ソラとどうして付き合ってはいけないのかは父スンジョは言ってくれなかった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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