イタズラなKiss(スンリ)15
気が向いたら行くなんて言ったけど、オレは行く気は全くないし・・・・・て、言うより・・・・・・・
何だよお袋とスンハの奴!
入学初日からスングとスアとインハのお迎えだって?
まだ19歳で子持ちだと思ってみている視線が、オレがどんなに恥ずかしいのか・・・・・クソッ。
「スングとスアとインハ、お兄ちゃんから離れるなよ。」
「違う!インハのお兄ちゃんじゃない!」
小憎たらしスンハの息子。
この性格は絶対スンハに似ているぞ。
よくインスン兄さんはスンハと結婚したよ。
「はいはい、おじさんから離れないでくれよ、インハ。」
弟と妹と言ってもこんなに年が離れていたら子供だと思われるし、インハにしてもオレと似ているからこの先こいつらが保育園から小学校に上がるまでオレは、周囲の好奇な視線に耐えられそうにない。
バシッ!
と背中に激痛が走った。
「パパ、子どものお迎えありがとう。子供たちママですよぉ。」
誰かと聞かなくても判る。
この大きな声は、ワン・ソラだ。
「誰がパパだ、それにお前がママだって?」
まともにソラの顔を今は見る気がない。
最近特にソラが気になって仕方がないのに、オレと似ている兄弟や甥の面倒を見ている姿だけはさすがに付き合っていなくてもさすがに嫌だった。
「初日からお迎えなの?」
「お袋とスンハの陰謀だ。朝から携帯を親父通してオレに渡すから嫌な予感がしたんだ。」
オレの怒りなど関係ないかのように、ソラは目障りな兄弟としゃがみこんで話をしている。
「羨ましいな・・・私は一人っ子だから兄弟が欲しかったのに、ママたちと同級生のスンリのご両親には7人も子供がいるんだから。」
「おい!7人も子供って・・・そこだけデカい声を出すなよ。」
ゴメンと言って謝るソラには何の間違いもないが、オレはこの兄弟の多いことで小学生の時から嫌な思いをしていたんだ
「ねぇねぇ・・・・・・私たちがあなたの両親みたいに早く結婚したらこんなにかわいい子供が出来るのね。」
何が可愛い子供?
汚い手でベタベタとオレの机をいじって、オレの大切な物をどれだけこいつらに・・・・・・
「何を怒っているの?」
「何でもないよ。ホラ、お前の家に向かうバスが来たぞ。」
「遊びに言ったらダメ?折角付き合い始めたんだし・・・・・・」
スンリが顎で弟たちがいる事を示すと、ソラは諦めて停車したバスに乗り込んだ。
ごめんソラ。
憎たらしい弟達でも、まだ小さいから無事に家に連れ帰らないといけないんだ。
いつか一緒にどこかに行けるように、お袋たちにこの面倒な迎えをさせないでほしいと言うから。
「ほら、おいでバスが来るからインハは背中、スングとスアはしっかりお兄ちゃんに掴まるんだぞ。」
背中に一人、前に双子を抱いてスンリはバスに乗った。
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