スンリのイタズラなKiss 16
「ほら、降りるぞ三人。」
保育園でたっぷり遊んだ三人は、遊び疲れたのとバスの揺れ心地が良かったのか、いつの間にか静かになっていた。
「寝ちゃったか・・・・仕方がないな。」
こうなったら人からどんな風に見られていようが構わない。
バス停に停まったがなかなか降りる気配がないからか、運転手はイライラしていた。
「降りないんですかぁ~」
「降ります、降ります、降ります。」
スンリはインハを背中に、スングとスアを胸に抱き、自分のカバンと三人のカバンを落とさない様にすごいスタイルで人をかき分けてバスから降りた。
気が付けば背中にいるインハはオシッコを漏らしているし、双子のスングとスアは涎を垂らして新調したスーツが台無しだった。
バス停から家までは、近所の知っている人ばかりだから、挨拶はするが皆いつもは澄ましているスンリがヨロヨロとフラフラしている姿を見て、必死に笑いを我慢しているのだと思った。
「お兄ちゃん、オシッコ!」
一人が言えば他の二人も同じ事を言う。
「僕も!」
「インハも!」
家まではもう少しだが、木陰で用をさせようか、そのまま全速力で家まで帰るか。
と思った時背中にいるインハと自分の間を生温いものが流れて行った。
時はすでに遅し・・・・・またインハが新調してまだ新しい背中の部分を見事に汚していた。
「おい!インハ!」
スンリの怒鳴った声に驚いた三人は家のすぐ前で大きな声で泣き始めた。
0コメント