スンリのイタズラなKiss 22
「大丈夫?」
「大丈夫・・・・・・じゃないかも・・・・・気持ち悪っ・・・・・」
自分の意識が段々と遠退いて行くのが判っているが、親父のように平然としていないといけないと言う気持ちはあるが・・・・・・・みっともないが、ソラがいなければ歩く事すら出来ない。
「ここに座っていて・・・ちょっと待ってね、聞いて来るから。」
聞いて来る?何を聞くんだよ・・・・オレは気持ちが悪くて吐きそうだよ。
「こっちよ・・・・・・」
グンッと身体が上に引っ張られるようなそんな感じがして、<チン!>と音がして停まった。
チン?電子レンジの音じゃないよな・・・・・・
足元がなんだかフワフワして、ホテルかどこかの廊下のような感じがする。
オレはどこにいるんだ?
「ここよ。今、鍵を開けるね。」
鍵?
何でソラが、人の家の鍵を開けるんだよ。
家はお袋が仕事でも、おばあちゃんが必ずいるから鍵は開いてるぞ。
「ここに座って・・・・・そのズボンのボタン・・・・外して・・・・・・」
「お袋・・・目が回るよ・・・・脱がせて・・・・・は・・・・吐きそう・・・・・」
「待って・・・・・・ここに吐いていいよ。」
そのあと、オレの意識は無くなった。
酔ったオレを介抱してくれているのはお袋のはずなのに、遠くで聞こえる声は空の声だった。
「ママ?ちょっと新歓で友達が酔ってダウンしちゃったの・・・・・ウン・・・・・ウン・・・・あのね、それでその子の家で泊まるから・・・・心配しないでね。」
ソラは普段のとんでもない行動をする時とは違って、酔いつぶれたスンリを心配そうに見ながら家に電話を入れた。
面倒ね・・・・うちに電話しないとパパが心配をして捜索願いを出しちゃうから・・・・少しはママみたいに落ち着いてくれればいいのに。
あんなに心配性なパパとママはよく結婚したわね。
それにしても、スンリってたったコップに1杯のビールでこんなに酔うなんてペク家の誰に似たんだろう。
でも・・・・私も・・・・・ふわぁ・・・・・眠い・・・・・ちょっとだけ・・・・・・・
ピピッ ピピッ
朝の目覚ましだろうか。
オレの目覚ましじゃない。
いつもなら、スングとスアがオレのベッドに上って髪の毛を引っ張るが・・・・
まだ時間が早いのか?
目覚まし目覚まし・・・・・
手を大きく伸ばすが、いつも置いてある所にあるはずの目覚ましが手に触らない。
寝相は割といいスンリが、間違って目覚まし時計を落とすはずがない。
その時、無意識に動いた手が温かくて柔らかな物に触れた。
スンミが布団に入って来たのか?
時々夜中にトイレに起きたスンミが、寝ぼけてスンリの布団に入って来ることが有る。
だけど手を動かせてみるとスンミよりも身長が高そうだ・・・・・それになんだこの膨らみは・・・・
「きゃぁ~!」
きゃぁ?
さすがその悲鳴のような声で眠っている人はいない。
横を見ると下着姿のソラがスンリの方を見ていた。
「ソラ・・・・何をしてんだよここで。」
「何って・・・・・スンリが酔ったから。」
「酔ったからって、人の部屋に入る・・・・・は?どこだ・・・・ここ・・・・・」
「ホテル・・・・・・昨日スンリが泊まって行けって言って・・・・・でも、すごく具合が悪そうだったから・・・・・・何もしないと思って・・・・・」
ソラに何もしないと思って・・・と言われても、ソラは下着姿・・・・・自分も下着姿・・・・・・
「オレ・・・・・・酔って覚えていないけど、ソラに何かしたか?」
「した・・・・・」
スンリは母譲りの体質で酒に弱く、飲まないようにしていたアルコールを口にしてしまって人生が変わって行くような感じがした。
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