スンリのイタズラなKiss 23
「せ・・・・・責任を取ってよね・・・・」
責任を取れって・・・・・・オレ・・・・記憶がないし覚えがない・・・・・は、理由にならないよな。
親父やスンハに似ればよかった・・・こういう時に、アルコールに弱いお袋に体質が似たなんて・・・最悪だと思った。
「責任・・・・・・・」
「結婚しろとまでは言わないけど、スンリの彼女として両親に会ってよ。」
ソラのその言葉に従うしかなかった。
「判った・・・で・・・・オレの親にも紹介しないといけないよな・・・・・・・・」
「そりゃあ、そうよ。うちの両親とスンリの両親は知り合いでもあるんだから、どちらかしか知らないって言うのも変でしょ。」
アルコールに弱いとはいえ、女の子と外泊してしまって取り返しのつかない事までしたのだから、責任を取らないといけない事はスンリにも判っていた。
「今度の日曜日でいいか?今日の今日では、さすがにオレの心準備も出来ていないし。
「いいわ。時間はまた私からメールをするわ。」
自分に対してそっけない態度をしていたスンリの落ち込んだ顔を見て、ソラは心の中で両手を上げて飛び上がって喜んでいた。
スンリが落ち込むのは、ソラを見て母ハニがすごく傷ついた顔をした事が気になっていたからで、ソラに従う形になったわけではない。
まだ外は気温が低くて、早朝の町は活動を始めていなかった。
ソラと別れて始発のバスに乗ると、見た目にも二日酔い状態のスンリは人の視線が気になった。
昨日はお袋も親父も夜勤だ。
運が良ければ誰にも気づかれずに部屋に行けるが、運が悪ければ親父とお袋が帰宅する時間と重なる。
バスを降りて、小走りに家に向かう上り坂を全速力で駆け上がると運が悪かった。
スンジョの車がガレージに入り、ハニも一緒に車に乗っているのが見えた。
まだ望みは捨てないぞ。
裏口から入って、二階に行けば外泊した事はバレナイ。
スンリは手前の脇道に入り、急な階段を上り裏口から家に入った。
良かった、誰にも見つかりそうもない。
そのまま自分の部屋に行き、何もなかったような顔をしてスンリは着替えを持ちバスルームに向かった。
ハァー、良かった心臓に悪い。
服を脱いでランドリーバスケットに放り込むと、すっかり温くなった湯に浸かった。
追い炊きをしている時に、バスルームのドアが開いた。
「誰?」
聞かなくても判っている。
夜勤明けで帰って来た、スンジョかハニだ。
「オンマよ。スンリ、もう起きたの?お風呂から出たら教えてね。アッパとオンマもお風呂に入るから。」
「判ったよ。」
ハニがランドリーバスケットの中の家族の洗濯物を分けているのが判るが、いつもバカ丁寧にポケットの中を確認している事で、少しはゆっくりと湯に浸かっている事が出来た。
「スンリ・・・・・・昨日、誰かといたの?」
________ギクゥ
「な・・・・なんで?」
「シャツに口紅が付いているよ。」
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