スンリのイタズラなKiss 28
「ハニちゃん、そんなにソラちゃんを睨んだら可哀想でしょ?」
「あっ、ごめんなさい。」
お母さんに言われなければ、私はずっと睨んでいたのだろうか。
「ソラちゃん、そう言えば昨日は新歓だったとか・・・・・・」
「そうなんですよ、おばあ様。」
一度は見合いをして結婚の話が出ていたユン・ヘラの娘だと言う事に、自然に接する事を躊躇していたグミだが、ソラの屈託のない真っ直ぐなものの考え方が気にいっていた。
「スンリがそういう集まりに行くなんて珍しいと思っていたのだけど、ソラちゃんが行くから行ったのね。」
ハニは見逃さなかった。
ソラが口元を拭いたティッシュに付いた口紅の色を。
殆どハニは色の付いた口紅を使っていないが、ソラはハニより赤い色を使っていた。
その色はスンリのシャツに付いていた口紅の色と同じだった。
「お母様どうされたのですか?」
「ソラちゃん・・・・・・・あなた達・・・・昨日の夜はどこにいたの?」
「どこって・・・お袋オレは家で寝ていた・・・・・・・」
「うそよ・・・・・・だって・・・・・スンリのシャツの内側にソラちゃんの口紅と一緒の色のその・・・・・・キスマークがついていたから・・・・」
ハニの言葉に、スンリは動揺をして持っていたカップを落としそうになった。
スンジョの視線はさっきまでとは明らかに違う輝きをしていた。
「ぶつかったのよね、ソラちゃんと・・・昨日の夜のスンリは・・・・・そう言えばいつ帰って来たのかしら?玄関の鍵を開ける音は聞こえなかったわ。」
バレタ・・・・・・まさかいつもスンハが結婚前に夜中に家を出たり入ったりしている事も気が付かなかったお袋が、オレのシャツの内側に付いた口紅を見つけるとは思わなかった。
「いいえ!左腕の袖の内側ですよ、お母さん。スンリはいつもシャツを脱ぐときに左腕の袖をひっくり返して脱ぐんですよ。私と一緒でお酒に弱いから、コップ2杯でも飲んだらスンリは倒れてしまうんです。」
「スンリ・・・・外泊したのなら外泊したと言うべきじゃないか?嘘を吐いていいはずはないだろう。なぜ、嘘を吐いて朝風呂に入っていたんだ?」
それまでニコニコと笑いながら話をしていたソラの顔から笑顔が消えた。
「まさか・・・・・・ソラちゃんと一緒に夜を過ごしたの?」
もう隠しようがなかった。
父にばれたからには、このまま嘘を吐き通す事は無理だ。
「つい酒を飲んで酔って・・・・・・・覚えがないんだけど、ソラとホテルに泊まりました。」
嘘を吐いた事で父の怒りが判るから、下げた頭を上げる事が出来なかった。
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