スンリのイタズラなKiss 30
ソラがペク家に来ると、必ず何か問題が起きる。
スンリが外泊した事はスンリにとって隠しておきたい事。
それを暴露されては、それをスンリの弱みとして付け入ってくる人物の行動が時限装置の付いた爆弾のように動き始める。
「お父様、お母様行ってらっしゃいませぇ。」
「あぁ・・・・」
「い・・・行ってきます。」
門の外まで仕事に行くスンジョとハニを見送るためにソラは出た。
大袈裟なほどに手を振って見送るソラの横に、スンリではなくスンリの弟のスングとスアが立っていた。
「お姉ちゃん、お兄ちゃんのお嫁さんになるの?」
ソラの目がキラリと光った。
「誰が言ったの?スンリ?」
スアはふわふわの栗色の髪を小さな手で払いながら頭を横に振った。
「おばあちゃんだよ。おばあちゃんがそう言うと、夢が叶うんだって。」
「そう?」
「そうだよ。アッパとオンマもおばあちゃんがお似合いだって言ったから結婚したの。」
まずスンリより先に、このペク家の一番力がありそうなスンリの祖母グミ。
おばあ様から先に味方に付けないといけないわね。
「双子ちゃんたち、お家の中に入ろうか?」
グミだけじゃなく、双子のスングとスアも明るく元気なソラが気にいたようで、小さな手をソラの手に合わせていた。
「ソラ、最近綺麗になったけど、好きな人でも出来たの?」
「ふふ・・・・・・」
「ソ・・・ソラ・・・・・好きな人が出来たのか?」
「ふふ・・・・・出来たの・・・・・・」
父ギョンスはソラの意味ありげな含み笑いに、その場に倒れそうなくらいにショックを受けていた。
「ソラ・・・・・その人はどんな人なの?」
「背が高くて頭がよくてスポーツ万能なの。勿論、顔も申し分ないほどの美形なの。」
その話を聞いて、スンジョと似ていると思ったが、独占欲の強いギョンスにしたら、その男が誰であっても同じだ。
ソラの父ギョンス、は、愛娘に好きな人が出来たショックで、家の外まで聞こえる位の大きな声で泣き始めた。
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