スンリのイタズラなKiss 36
「!」
「?」
行き成りで驚いたのは、スンリの方ばかりじゃなくソラも同じだ。
「寝込みをお前は襲う変態女か?」
「誤解よ・・・・・誤解・・・・ちょっと魔が差したのよ。スンリの唇が女の子みたいにピンク色で柔らかそうに見えて・・・・・・」
そう、女の子みたいにほんのりピンク色をしているんだもの・・・・・・
「オレの口はお袋似だからな。お前にそんな趣味があるのなら、スンミの口もオレと同じでお袋似だぞ。」
「そういう意味じゃ・・・・・・だって、付き合っているならキスくらい。」
「冗談だ。行くぞ。」
ニヤッと笑ったスンリは手を差し出して、校舎棟の方に向かった。
ソラの押しかけ彼女の行動は、学校中で知らない人がいない程、スンリと一緒にいる姿をよく見られていた。
法学部なのに、医学部と共通の講義に顔を覗かせて、スンリと一緒に講義を受けていたり、スンリがトイレに行けばトイレの入口で待ち伏せたり。
家に行ったのなら、グミの大歓迎で迎えられて、まるでペク家の嫁にでもなったように、グミばかりじゃなくミアともいつも間にか仲良くなっていた。
スンリの母であるハニとはどうかというと、息子のスンリにも判るくらいに一応大人な対応をしているが、あまりいい気持ではない表情を浮かべていた。
「ソラちゃん、ペク家は早婚なのよ。私は18歳で結婚して19歳でスンリの父を産んだでしょ?スンリのおじのウンジョも大学卒業と同時に結婚して、スンハも在学中に結婚しているの。早いうちに結婚になっても大歓迎よ。」
グミは昔のスンジョとソラの母親のヘラとの事を忘れているのか、知っていてそうしているのかさっぱりと分からない。
スンジョもハニがいる時は、ソラと軽く挨拶をして部屋に行くが、ハニがいない時はリビングでみんなと一緒に話に加わっていた。
当然その事で両親が部屋で言い争っている事をスンリは知っていた。
「オレ達さ・・・・・付き合わない方がいいかもしれない。」
突然のスンリの言葉に、いつも笑顔のソラはさすがに笑う事が出来なかった。
「お母様の為に付き合うのをやめるの?」
「ああ・・・・・オレにとってソラは大切な女の子ではあるけど、お袋はオレをこの世に出してくれた大切な人だ。お袋が悲しむ事はしたくない。もしソラがこの先何年も経ってオレと出会って、それでも、ソラがオレの事を好きになってくれたなら、またその時考えようと思う。」
結局スンリとソラは、スンリの母の心に深い傷をつけた出来事が何なのか知る前に、お互いに別れる事を決めた。
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