スンリのイタズラなKiss 37
「ソラや、パパが帰って来たぞぉ・・と・・・どうかしたのか?オレの可愛いソラは。」
「なぜか分からないけど、学校から帰って来てからずっと泣いているのよ。」
スンリから別れを告げられ、ソラは人生で一番悲しい気分になっていた。
ソラも大切だけど、自分の母が悲しむ事が辛いから別れる。
「何よ・・・・何よ・・・・・・スンリなんて・・・・・・」
「ソラや、どうしたんだ?」
ギョンスは最愛の妻と可愛い娘の涙を見たら、理由が何であっても関係なくつられて涙を流す。
妻のヘラは滅多な事どころか、涙を流す事はないが・・・ためにテレビドラマや映画を観た時になく事もある。
ギョンスはただ泣くだけならいいが、ご近所に聞こえるくらいの大きな声で鳴くのだから、ソラは出来る限り明るく平然とした顔でいようとしていた。
「聞いてよ、パパ!」
ソラの良く通る大きな声は、ギョンス譲り。
「どうした?」
「男の子って・・・マザコン?」
「マザコンって・・・・・・ソラ・・・・・か・か・か・彼氏の事か?」
「私よりママの方がいいって・・・・・・・どう思う?」
本当はソラはギョンスに抱き付いて泣きた位ほど辛かった。
平静・・・・平静・・・・・・平静・・・・に・・・・・・・
「そりゃぁソラ、どこの男の子も母親は特別だと思うわ。それは女の子も同じだと思うわ。パパとママのどちらが大切かは決められないけど、その男の子にしたらママがきっとあなたより好きなのよね。」
「オレは・・・・・違うからな。母親には、お前は早く社会に出て・・・・・・」
愛妻ヘラがギョンスを肘で突いて、ジロリと見るとギョンスはシュンとした。
「あなたの家は特別よ。大学の休学期間を除いて何年かかって卒業したのよ。」
決して妻に逆らわない父を、ソラは軽蔑するわけでもなくそんな両親の様子を見るのも嫌ではなかった。
「ソラの付き合って いた男の子って、誰だったの?」
「別れたから・・・・・・・・」
「別れたのなら教えてくれてもいいじゃない。今どきの男の子で、オリエントコーポレーションの娘のワン・ソラを泣かせる男の子がいたなんて、気になるじゃないの。」
「彼・・・・・スンリは家柄や財産で付き合ったりする男の子じゃないの。」
「スンリ?スンリって・・・・・・・・ペク・スンリ?」
「何だって?親子そろってワン家の女を泣かせるのか?」
「パパ!昔の事は持ち出さないでと言っているでしょ!」
昔の事?
「何かあったの?スンリのパパとうちのママ・・・・・・・・」
余計な事を言ってしまったと、ギョンスはヘラがきっと当分口を利いてくれなくなることが予想出来てシュンと気落ちしていた。
「ねえ、何があったの?」
「あなたは気にしなくてもいいのよ。スンリの事は忘れて、また新しい彼氏を探せばいいのよ。誇り高いユン・ヘラの可愛い娘のワン・ソラだから。いつまでもめそめそとして泣かないのよ。」
母ヘラにそう言われても、そう簡単にスンリの事を忘れる事は出来ない。
優しくされた事も無いけど、どこか寂しそうにしているスンリの瞳が気になってソラはスンリが好きになったのだから。
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