スンリのイタズラなKiss 45
「ねえママ、今度の日曜日の予定は空いてる?」
「今度の日曜日ねぇ・・・・パパとテニスをする予定なんだけど・・・・どうして?」
「午前中でも午後でもいいのだけど・・・・・・会ってほしい人がいるの・・・・」
恥かしそうにモジモジとしているソラは、顔はヘラと似ているが肝心な事をはっきりと言えないところはギョンスと似ていた。
ヘラはソラがいつものソラと違う様子で、自分に会わせたい人物が今付き合っている人だと思った。
「もしかして・・・・好きな人をママたちに会わせてくれるの?」
「うん・・・・だめかな・・・・・・」
「いいに決まっているじゃないの!どんな子なの?」
「同じ大学で同じ学年で・・・・・医学部の・・・・ペク・スンリ・・・・ほら前にハンダイのクリスマスパーティに行ったでしょ?ママは覚えていると思うけど、あの時に拗ねていた男の子に・・・・・ずっと片想いしていたの。でね・・・・・一時別れたんだけど、最近また付き合い始めて・・それで今度はずっと長く一緒にいようって・・・それで、スンリのご両親にもこの間紹介してもらったの。」
ヘラは苦笑いした。
自分が片想いしていて、見事に振られた相手。
その時のライバルがスンリの母ハニ。
人生で初めての負けた相手がこの二人だった。
「ママ?会ってくれないの?」
「ううん・・・・・そうじゃないわ。時代は繰り返すのね・・・・・・パパにはママが上手く言っておくわ。またあの大きな声で泣かれると、彼に逃げられちゃうから。」
ヘラはいつまでも過去にこだわる性格ではなかった。
多少胸がズキンとするが、今はギョンスを信頼しているしこの人とずっと共にして行きたいと思って結婚したのだから。
「何だな・・・・・今日はソラの楽しい話はないのかな?それならパパが面白い話を一つ話そうか?」
「あなたの話が本当に面白いのなら聞くわ。」
「面白いさ・・・・いや面白いと言うか・・・・・またママに叱られるかな・・・・」
「ラケットをまた買ったのですか?」
「違う・・・・・ラケットはしばらく買わないよ・・・実は・・・・これを・・・・・」
ギョンスは一枚のチラシをヘラとソラの前に出した。
「「ホットドックの大食い大会?・・・・・・・本戦?」」
相変わらずホットドックが大好きなギョンスは、家族に内緒でホットドックの大食い大会に参加してそれが優勝した事で、アメリカで行われる世界大会の本選に参加の案内だった。」
「もう・・・いい加減にしてくださいよ。」
「今年で最後にするから・・・・・」
「健康診断で高脂血症で要検査になったじゃないですか!私とソラを悲しませるのですか?」
結婚して20年過ぎても妻に頭の上がらないギョンスは、ホットドックの大食い大会への参加を諦めなければいけないが、諦めきれなかった。
「あなたが私たちを悲しませるのなら、私たちが今度はあなたを困らせるから。今度の日曜日はその大会を休んで、ソラが私たちに会わせたい人がいるからそのために時間を空けておいてくださいね!」
そう言われては、妻の言葉に従わないといけなかった。
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