スンリのイタズラなKiss 50
気の強いソラと、譲らないオレは喧嘩が絶えない。
いや喧嘩ではなく、勝手にソラが怒っている事が多い。
大学に入って最初のクリスマス。
今年もウンジョおじさんの会社のパーティがあると聞いたが、今回はオレは参加が出来なかった。
ソラはというと、やはりハンダイとつながりの深いオリエントコーポレーションの理事一族という事で参加したらしい。
その数日前に二人で早めのクリスマスを祝おうと話している時だった。
「それには行かないといけないの?」
「ああ・・・・1年とはいえ、オレは親父と同じ外科医を目指したいから。」
「来年もあるじゃない・・・・・今年は付き合い始めて最初のクリスマスパーティだよ。みんなの前で私を紹介してくれても・・・」
「別に婚約者じゃないし・・・・オレ・・嫌いなんだパーティが。」
婚約者じゃないと言った事が、ソラにはカチンと来たのだった。
「婚約者じゃないって・・・・・私たち・・・・・・・」
「キスしただけで、結婚をしないといけないのか?」
言っちゃぁいけないとは分かってはいるが、ソラが怒るとオレは言い返してしまう。
「遊び半分で付き合ってるの?」
「学生のうちは遊んでもいいだろう?オレは親父たちやスンハみたいに学生のうちに結婚をしたくない。遊べるうちは遊ぶさ。」
「じゃあ!何?講義旅行って・・・・・女の子も行くの?」
何が言いたいのだ?ソラは。
「そりゃぁ、女医になる人もいるからな。」
「私とはキスだけで、その未来の女医とは深ぁーい関係になるの?」
「深い関係?」
「浮気するんでしょ?」
「はぁ??」
「大体、前にやっていた夜間のバイトだって、依頼主は女の子ばかりだったよね。スンリって女好きなただのスケベなんだ!」
「くだらない!!」
「くだらなくないわよ!!」
バシッ!!!
ソラは父譲りなのか、ラケットを持っていた事がいけないのか、スンリがソラの腕を掴んでそれを掃った拍子にラケットの面がスンリの頬に当たった。
「おまえ・・・・・・・」
「おまえ?私にはワン・ソラという名前があるわ。」
「ワン・ソラ!男に暴力をふるうのか?最低だな。」
「そっちが悪いんでしょう。」
「おまえの我儘には付き合いきれん!講義旅行だと言っているのに、信じてもらえないのならこれで終わりだな。キスだけでよかったよ。その先まで進んでいたら、どう言われるか。」
スンリの赤くなった頬を見て、ソラは申し訳ない気持ちもあったが、ここまでスンリと言い争っては素直にはなれない。
「私たち別れましょう!」
「ああこっちもその方がいい。もっとしとやかな女を今度は選ぶよ。じゃあな!」
大学構内での大喧嘩。
皆の注目を浴びていても、二人はそれも判らない程、頭に血が上っていた。
0コメント