スンリのイタズラなKiss 61
「スンリ・・・口を閉じてよ、みっともない・・・・」
ソラに言われるまで、スンリは自分が口を開けて見取れていた事に気が付かなかった。
「あ・・・あぁ・・・ごめん・・・・」
「フフ・・・・彼があなたのドレス姿に見とれていたみたいね。とってもお綺麗ですよ。」
「ありがとうございます、あの・・・・・一枚記念に写メしてもいいですか?」
お店のスタッフにソラはスマホを渡して、スンリを手招いた。
「いいよ・・・・・ソラだけ撮ってもらえよ。」
こういった事はスンリは苦手だった。
それはソラも知っている。
最初に出会ったクリスマスパーティで、スンリが出席するだけじゃなく記念写真の撮影を嫌がっている様子は見ていた。
しかし、スタッフに上手に説得されたスンリとソラは写真に納まった。
ソラはカフェでジュースを飲みながら、ウエディングドレスを着て撮った写メを見ては嬉しそうに笑っていた。
そのソラの顔が何とも言えず綺麗で、スンリはこのままずっと見ていたい気分になった。
「そんなチャラチャラしたのが女は着たいのか?」
「着たいわよ、一度だけしか着られないから、特に着たいでしょ?」
「なら、さっき着たからもう着られないな。」
「さっきのは別よ!結婚式は一度きりだから・・・・・・・・」
「二度・三度とする人もいるだろう。」
「もう!もう もう もう スンリったらそういう事を言うのはやめてよ。」
クスッとスンリが笑った事で、ソラは自分がからかわれていた事に気が付いた。
「いつかな・・・・・・・」
「えっ?」
「何でもないよ。もう帰るか?明日のために今日は早く寝ろよ。」
まだスンリと一緒にいたいと言うソラだが、いくら気晴らしと言ってもあまり遊びまわって明日に差障っても行けないとそう思ってソラを家まで送り届けた。
「頑張れよ。終ったら大学の卒業までは自由だな。」
「スンリはあと二年学校に行かないといけないから、私がスンリが大学を卒業してめでたく医者として仕事を始めたらお祝いをするね。だから、私が大学を出てどこかの事務所に入る事が決まったら、旅行しようよ・・・・・・泊まりで・・・・」
ソラはスンリが一番下の双子の世話を両親に頼まれているから、きっと断るだろうと思って思い切って泊まりの旅行を口に出した。
暫く考えていたスンリは顔を上げて、ソラの目を見て言った。
「いいよ、探しておくよ。」
ソラはスンリのその少しぶっきら棒な言い方でも、嬉しくて思わず抱き付いてスンリの頬にキスをした。
「ありがとう、スンリ。大好きよ。」
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