スンリのイタズラなKiss 67

「ママ、明日からの2泊3日の旅行・・・パパが付いてこないように注意してね。」

「判ってるわよ。運がいいことにパパは明日から3日間、今年度の予算を決める会議が続くのよ。」

「本当?」

「女の子同士の旅行に、変なおじさんが見に来たらソラだって困るわよね。」

ママにも言えないよね、スンリと二人だけの旅行だなんて。

『オレが責任を取るから』

スンリはそう言ってくれたけど、パパの耳に入ったらまた煩いものね。

「じゃぁ、準備をして来るわね。」

ソラは母を信用しないわけではないが、母の口から父に伝わるかもしれない。

逃げるようにして荷物をまとめる為に部屋に行くと、机の上に置いてあった携帯が点滅していた。

部屋の鍵の音をさせないように静かに掛けた。

一応初めての彼氏との旅行。

新調した洋服に、初めてだから思いを込めて選んだ勝負ランジェリー。

「フフ・・・・買っちゃった♡ぅぅ~ドキドキ!!」

そのレースのついた可愛らしい勝負ランジェリーに頬ずりをしていると、携帯が点滅をしていたことを思い出した。

「そうだ、携帯・携帯・・・」

画面を開けるとスンリからのメールだった。

何だろう?電話してくれても良かったのに。

____お袋がソラと話をしたいと言っていたから、電話を掛けてくれるか?お袋の携帯は・・・・

旅行したらダメって言われるのかな?

スンリのお母さん、私の事をあまりいい感じに思っていないよね?

スンリはきっと知らないと思うけど、私のママとスンリのお父さんの事を知ったらダメだって言うに決まってるよね?

ソラは不安な気持ちで、スンリから聞いたスンリの母の携帯に電話を掛けた。

2・3度コールしてスンリの母の声が聞こえた。

<ソラちゃん?>

「はい・・・・」

<本当はこんな事を言ってはいけないと思うんだけど・・・・・・・>

「旅行・・・・・行っちゃダメですか?」

<ううん・・・・行ってもいいけど・・・・・ソラちゃんのご両親に内緒だって、スンリが言っていたんだけどよくない事だと思うの。おばさんからソラちゃんのご両親に話しておこうかなって・・・・・>

スンリのお母さんは、私のママと同い年なのになんだか可愛い話し方で、本当にスンリの初恋の相手だって気がする。

「ママは知っているんですけど・・・・・・パパには内緒なんです。」

<ヘラは知って・・・・ぁあ、ごめんね?昔の知り合いでつい・・・・お母さんは知っていて、お父さんは知らないの?>

「はい、パパはきっと付いて来てしまうんです。結構、しつこくって煩くって・・・・鬱陶しいくらいに入り込んでくるので・・・・」

<先輩らしいわね・・・・ぁっ!おばさんねテニス部だったの。>

「知ってます。」

<おとうさんは尾行が上手いから言わないのは正解ね・・・・・・・あのね、ソラちゃんに言おうと思ったのは、スンリってすごく綺麗な顔をしているでしょ?>

凄い!スンリのお母さんって・・・・・・天然?

自分の息子の顔を、綺麗な顔って普通は言わないでしょ?

まぁ・・・確かにスンリは綺麗な顔をしているけどね。

<スンジョ君・・・うちのしゅ・しゅ・しゅ・・主人とよく似ていてモテるから、気を付けて見張っていてね?>

スンリのお母さんと初めて電話で話をして、天才でいつも神経を張りつめている医学部教授のスンリのお父さんが好きになった人なだけあると私はそう思った。

うちのママと結婚をしていても、スンリのパパはあんなに疲れ知らずで、色々な場所に講義に行く事は出来なかったと思う。

うちのママにしても、あの煩いくらいに付きまとう人と結婚して、嫌がっているようにも見えないのもわかるような気がする。

相手に無関心でいる事は本当はすごく疲れる事だから。

私もスンリのお母さんやうちのパパの良い所を少しでも自分に参考になるような気がする。

「スンジョ君・・・・・なんだか寂しいね。あんなに私にベッタリと張り付いていたスンリが、女の子と旅行なんて・・・・・・」

「スンリももう大人だ。いずれは誰かと結婚をして親になるんだ。オレ達は出会いこそ最悪だったけど、ハニと結婚してからの毎日二人は、子供と一緒に成長したんだ。寂しいと思うのじゃなくて、自分たちの思いを込めて育てた子供の巣立つ姿を見る事が出来て幸せだと思わないと。」

「そうだね・・・・・私のママは、こんなに素敵なスンジョ君と結婚できた事も知らないんだものね。

スンハに続き、スンリももうすぐ自分たちの手から離れていく寂しさは、ハニだけじゃなくスンジョも心に感じていた。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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