スンリのイタズラなKiss 74
「う・・ん・・・・・・」
ゴロンとスンリは寝返りを打つと、何かにぶつかって目を開けた。
??
「ああ、そうだった。ソラと旅行に来たんだ。」
隣でソラはスヤスヤと眠っている。
オレの両親は知っているけど、ソラの両親に直接会って承諾しないで来たのは多少後ろめたいが、あのソラのテニスオタクみたいな親父はちょっと苦手だ。
ソラが起きるまでに、シャワーでも浴びて来るか。
今日はせっかく済州島に来たのだから、アフリカ博物館にでも行って見るか。
「あれ?スンリは・・・シャワーね。あーいい夜だったっていうのかな・・・・・・・パパとママに嘘を吐いて来たからちょっと後ろめたいけど、スンリと結ばれたんだと思うと・・・・・そんなのどうでもいいような気がして来ちゃった。フフフ・・・・」
ソラは、ひとり昨夜の事を思い出していると、シャワーを浴びて出て来たスンリと目が合った。
「よぉ、起きたのか?」
「うん・・・・・ふふふ・・・・・」
「なんだよ、その笑い方は。清々しい顔をしてよく眠れたようで。」
「スンリも・・・・・よく眠れた?」
「はは・・・・・お前の勝負下着のお陰でよく眠れたよ。朝食を食べに行くから、シャワー浴びて来いよ。」
「うん・・・・・・あっち向いていて。」
ソラはスンリが背中を向けると、シーツを巻き付けてバスルームに入って行った。
帰ったら最初にソラの家に行って、オレが大学を出たら結婚したい事を言わなければいけない。
それから、その時にソラのお母さんに親父との事を知っていると言うべきか。
あのテニスオタクの親父がいないと、事が楽に運ぶんだけどな・・・・・・
「お待たせ!お腹が空いたから早く食べに行こうよ。」
「お前って・・・・・・」
ソラの知らない面を見たようで、スンリはますます裏表のないソラが好きになった。
「なによ。」
「いや・・・・似てるなって。」
そう似ている、ソラはあの人に。
スンリの初恋で、この世の中で一番大好きなあの人に似ている。
「誰に?」
「オレの好きな人さ。」
「私より好きな人がいるの?誰よ。」
「さぁね。」
「教えてよ。」
スンリを追いかけるソラと、笑いながら逃げるスンリ。
まるで猫のように走り回っている二人は、無邪気な子供みたいで幸せそうだった。
「ん?おい、ソラ携帯が鳴っているぞ。」
「え?・・・もしもし?・・・やん、くすぐったい。電話に出てるから触らないで?」
「ソラの弱い所・・・・ここだろ?」
スンリの声が、電話の向こう側に聞こえたのか、いきなり大きな声が聞こえて来た。
<ソラ!誰と旅行に行ったんだ。女の子じゃないのか!>
「パ・・パパ!」
ソラは電話を掛けて来た相手が、父ギョンスだと気が付くとスンリの方を向いた。
「どうしよう・・・・パパに聞こえたみたい・・・・・今の声・・・・」
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